◆磐城壽 縁醸仕込◆:ヤマガタンAnnex|山形の地酒-地ワイン-地ビール
ヤマガタンAnnex|山形の地酒-地ワイン-地ビール |
◆磐城壽 縁醸仕込◆
2012.02.13:Copyright (C) まるはち酒店
震災から1年が経とうとしてますね
わたなべ様、コメントありがとうございます。
▼この記事へのコメントはこちら
|
ゲストさんようこそ
合計 19人
■記事数
公開 3,117件
限定公開 0件 合計 3,117件 ■アクセス数
今日 873件
昨日 3,145件 合計 5,374,220件 |
奇しくも震災当日が甑倒し(造り期間最後の蒸米を蒸し終える事)の日だったという鈴木酒造店。
年度最後の可能性を探る為のチャレンジの仕込みは震災当日に行われ、そのテーマを設けて取り組んだ仕込みのお酒も震災により結果を何一つ確認できず、喪失感を強く覚えたという大介杜氏。
今回震災後に心強い支援をされた取引先の酒販店各位と共に喪失感を埋めて再開した形を残すべく企画されたのが今回の縁醸仕込である。
三段仕込みで醸されるお酒に合わせて三日間に亘り開催されたこの縁醸仕込、遠くは九州福岡県からの参加者等、延べ40人程が全国各地から集結したという。
小生は中日の仲仕込みの日に参加させて頂いたが、この日集まった方々は皆熱心な磐城壽の取り扱い店の人達であった。
そしてこの長井の地で酒造りが再開できた事を我事のように喜んでいるのが伝わった。
そんな絆で結ばれている人達の輪に入って作業する事への違和感が無かったと言えば嘘になるが地元の酒販店としてお声を掛けて頂いたお蔵の心使いが嬉しく、又レベルの高い同業者各位とこういう形で接する機会が得られた事は大変光栄に思う。
蔵元では全てを喪失した震災から一年後となる3月11日までにはこのお酒を上槽し、酒造りができる歓びと完成の歓びを以って1年目の節目を迎えたいとの事。
さて縁醸仕込みの仕込み内容であるが震災当日の仕込みを再現したものだとか。
酒米は全量雄町の65%磨き、研究機関に送られ奇跡的に助かった家付き酵母を使用し2~3年の熟成を意識したお酒が仕込まれた。
画像は搾りの最中に汲み出して頂いた本醸造の原酒、とても搾りたてとは思えない優れた香味バランスに唸る。
それでは当日の仕込み作業をサクッとご紹介しましょう。
先ずは蒸米が甑から掘り出される作業を見学。
ホウモウと蒸気が立ち上り釜場は霧が架かったかのように。
その蒸米を広げて放冷する参加者。
広げた蒸米を細かにバラす手法をレクチャーする杜氏の鈴木大介専務。
四人一組での洗米作業。
水の中で米が入ったメッシュの袋を左右に揺する結構大変な行程。
洗米され糠を落とした後、浸漬し水分を吸収させる。
最後は放冷が終了した酒米を纏めて腕に抱える手法を教わる参加者。
この後、次々と仕込みタンクに運び投入。
午後一番から始まった作業は途中お蔵の設備の見学を交えて夕方までには終了。
その後場所を移しての懇親会が催され熱い交流をさせて頂いた。
しかし皆さん一様に日本酒を愛して止まない方々ばかり、そして何より日本酒に賭ける情熱に触れ良い刺激を頂いた。
そんなエネルギッシュで人情味豊かな方々が支えている磐城壽、絆という言葉がより身近に感じられた一時。
貴重な体験が出来た事有難く感謝申し上げます。