どうなる?「いのちと健康」(下)…“計画倒れ”に終わった「立地適正化」計画〜「ウソから出たマコト」〜あぁ、“城跡エレジー”!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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どうなる?「いのちと健康」(下)…“計画倒れ”に終わった「立地適正化」計画〜「ウソから出たマコト」〜あぁ、“城跡エレジー”!!??


 

 「現時点で作成・公表に至った自治体は大阪府箕面市と熊本市の2団体のみです。 花巻市は6月1日に公表を予定しており、全国で3番目、東北では初めての立地適正化計画となります」(2016年5月27日開催の記者会見)―。1番になれなかった悔しさをにじませながらも、上田東一市長の顔は紅潮しているようだった。以降、「全国で3番目」が上田市政を貫く枕言葉になっていくのだが… 

 

 上田市長が初当選(2014年1月)した半年後、「改正都市再生特別措置法」(8月1日)が施行され、立地適正化計画に基づいた「コンパクト(+ネットワーク)シティ」構想が提唱された。国の優遇措置を受けられるとあって、全国の自治体の間で“先陣”争いが起きた。この法律との運命的ともいえる“遭遇”がその後の上田市政の方向性を決定づけることになる。2年後に策定された「花巻市立地適正化計画」(2016年6月1日)には現在まで続く三大プロジェクト(病院移転×新図書館×駅橋上化)がそろい踏みしていた。そのトップバッターに位置づけられたのが、総合花巻病院の「移転・新築」事業だった。 

 

 「本移転事業は国が創設した『立地適正化計画制度』に基づき、花巻市が策定した『都市機能誘導区域』への移転事業であります」―。立地適正化計画が策定された半年後、病院側の「移転新築整備基本計画」(2016年12月2日)にはこの事業が行政主導の事業であることが明記されていた。当時、現職の市議だった私もこの点を追及した。前哨戦としての「病院立地」論争にこんなやり取りがある(2015年12月定例会の会議録=要旨)

 

増子:立地適正化計画は平成28年3月に策定期限が迫っているということがあるわけでしょう。その辺をはっきり言ってください。だから、慎重にやりたいけれども一方で、制度資金を活用するために急がなければだめなのだと。

佐々木忍(健康福祉部長):立地適正化計画でございますけれども、来年度からの採択事業の実施に向けて、いま一生懸命進めている状況でございます。有利な財源を使うということについては、議員もお分かりのことと思います。

 

 「まずは、立地ありき」―。「ハコモノ」行政に付き物のこの手法は上田市政の目玉政策だった三大プロジェクトにも共通している。立地適正化計画の成功例第1号として、広く喧伝(けんでん)されてきた「総合花巻病院」問題の顛末については(上)と(中)でその経緯を明らかにした。さらに、10年以上も前に船出したはずの「新図書館」構想はいまなお、荒波に翻弄(ほんろう)される難破船そのものである。その一方で、これらのプロジェクトの陰で闇に葬られようとしている“負の遺産”を忘れてはなるまい。実は上田市政が誕生して真っ先に直面したのは未だに未解決の「新興跡地」問題だった。

 

 「由緒あるこの土地をふたたび、市民の手に」―。当時、市民の関心事はまちの中心部に位置する旧新興製作所跡地(花巻城址)の行方だった。「新しい風」を標榜して、さっそうと登場した新市長に多くの市民は年来の悲願を託した。法律も味方してくれそうだった。適用法の「公有地の拡大の推進に関する法律」(公拡法)にはこう規定されていた。「公有地の拡大の計画的な推進を図り、もって地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資することを目的とする」―。まちづくりを推進するため、当該自治体に土地の優先取得権を与えていたのである。

 

 「多額の費用がかかるため、当市がただちに当該土地全部を取得するのは無理。利用目的がはっきりしない案件に貴重な税金を投入することはできない」―。その年のクリスマスイブ、市民はこんな縁起でもないプレゼントに腰を抜かした。当時の譲渡価格はわずか百万円だったが、建物の解体費用に莫大な費用が見積もられていた。当該跡地が立地適正化計画(都市機能誘導区域)の適用外で、国の優遇措置を受けられないというのが取得断念の真相だったことが後で分かった。あれから早や10年、まちのど真ん中にはいまも瓦礫(がれき)の荒野と化した廃墟が無惨な姿をさらし続けている。

 

 「絵に描いた餅を示すことはしない」―。上田市長は「駅橋上化(東西自由通路)」事業に際し、その将来ビジョンを示すことをかたくなに拒み続けた。「国の有利な融資制度を利用して、いま出来ることをやるのが首長に課せられた使命だ。評価は将来世代に委ねるべきだ」という論理は一面、その通りであろう。しかし、私には病院の移転新築に当たって、例えば「交流人口80万人」などという“大風呂敷”(つまりは「絵に描いた餅」)を広げ過ぎたことに懲(こ)りたからだろうと勝手に推測している。そもそも、グランドデザイン(青写真)の伴わない公共事業には”眉唾もの”が多いことは過去の事例が教えている。

 

 “城跡エレジー”(花巻城哀歌)にむせび泣いているうちにふと、こんな気持ちにさせられた。「私たち市民は結局、上田“迷走劇”という自作自演に踊らされてきただけではなかったのか」―。ひと言でいうと、その「詐術」(ウソ)にだまされたということである。

 

 

 

 

 

(写真は構造物の一部が放置されたままの新興跡地。この一角に一時期、猛毒のPCBが不法に保管されていた=花巻市御田屋町で)

 

 

 

 

<「詐術」の事例研究…新図書館立地の“ウソ”>

 

 

●「(町なか=中心拠点を維持・存続していくために)生涯学園都市会館(まなび学園)周辺への図書館(複合)の移転・整備事業」(花巻市立地適正化計画、2016年6月)

●「(立地)候補地を数箇所選定した上で、基本計画において場所を定める」(新花巻図書館整備基本構想、2017年8月)

●「JR花巻駅前のスポーツ用品店用地(JR所有)に50年間の定期借地権を設定した『賃貸住宅付き図書館』構想が突然、公表」(「新花巻図書館複合施設整備事業構想」、2020年1月。同年11月に賃貸住宅付きの部分は撤回)

●「JR花巻駅前のスポーツ用品店用地を第1候補とし、土地取得交渉に入る」(市長行政報告、2022年9月)

 

 新図書館の立地場所が当初の「まなび学園周辺(病院跡地を含む)」から一転、「JR花巻駅前」に変更された経緯について、当局側からの説明は一切ない。この闇の部分にこそ、上田流「詐術」(ウソ)が隠されている。

 

 そのウソを読み解くヒント〜_峇駅橋上化と新図書館の駅前立地に要する総事業費は合わせてざっと、100億円と見積もられている。だから当然、”利権”が群がる。この二つの事業を受注できるのはJR側が指名する市内の有力企業11社に限定されており、勢い「利害」関係が先行する、△気蕕法△海瞭鵑弔了業は表向きは「別物(の事業)」と言われてきたが、実際は秘密裏に「ワンセット」事業として、構想されてきた。駅前の「賑わい」創出を旗印に掲げる上田市政にとっては、そのどちらが欠けてもそれが達成できないことは目に見えているからである。

 

 同上ブログで言及したように、上田市長自らが駅橋上化についての将来ビジョンを示すことを拒んでいる。というより、出来ないのである。両輪がなければ、車は前に進めない。両翼がなければ、飛行機は墜落するー。つまり、図書館とセットでなければ、二つの事業の相乗効果による「賑わい」創出が水泡に帰すことは自身が一番、分かっているはずである。それゆえに今度は「若い世代は駅前を希望している」などという”世論誘導”をしながら、駅前立地を強行しようというハラのように見える。

 

 8年前、「花巻市立地適正化計画」で新図書館の立地場所として明記された「まなび学園周辺」には広大な敷地を有する旧総合花巻病院跡地がある。病棟群が撤去された跡地こそが「文教地区」にふさわしいという市民の声がわき起こったのは当然である。さらに、この年度末に当該跡地は正式に「市有地」として登録された。

 

 それなのになぜ、「駅前立地」にこだわり続けるのか。答えは簡単。つまりは最初から、JR主導型の”出来レース”だったというのが、上田流「詐術」のからくりである。「駅前活性化」(表)と「利権」(裏)…表裏をなすコインはかくして、素知らぬ顔で市中に出回ることになる。「ウソから出たマコト」にだまされてはならない。(詳細な経緯については、当ブログの関係記事を参照)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2024.03.31:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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