“やらせ臭”プンプンの要請活動…花巻駅橋上化〜市民の間にも”疑念”の声が:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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“やらせ臭”プンプンの要請活動…花巻駅橋上化〜市民の間にも”疑念”の声が


 

 「花巻駅の橋上化(東西自由通路)をぜひ、実現してほしい」―。今月に入って、商工団体や温泉関係者、高校のPTAや同窓会などの間で、「橋上化」実現の要請活動が活発化している。この件については、花巻市議会の3月定例会最終日(17日)で当局側が提出した整備にかかる調査費(2603万円)が14対11の賛成多数で否決された経緯がある。この種の予算関連案件が否決されたのは市政施行以来、初めて。実質的な上田(東一)市長の「不信任」との見方が出ていたが、状況が変化したのは4月中旬以降。中には橋上化に賛成する議員が要望書の“ひな型”を持参して区長やコミュニティ会議会長などに「調査費」予算の再提案を求めるよう促すなど“やらせ臭”がプンプン。市民の間には「自治体運営の基本である二元代表制を踏みにじる行為だ」という批判が出ている。

 

 橋上化に要する整備費用は38億円という巨額。国庫補助と合併特例債を投入することによって、市側の実質負担額は6億円と見積もられている。3月定例会で上田市長は「仮に2022年度に計画がスタ−トするとしても完成は28年度。一刻も早く財源確保を急がないとせっかくのチャンスも逃してしまう」と力説。「事業実施自体を否定するものではないが、もっと広い範囲で市民の意見を求めるべきだ」(反対)、「駅はまちの顔。住民説明会のアンケ−ト調査でも56人中、8割が実施を望んでいる」(賛成)…などと議論が伯仲したが、反対が賛成を上回った。

 

 上田市政はちょうど1年前の3月定例会で「令和2年度一般会計予算(案)」を全面撤回し、図書館関連予算を削除したうえで再提案をするという前代未聞の失態を演じた。その直前に突然、公表された「住宅付き図書館」の駅前立地構想に議会側や市民の多くが反対したためで、のちにこの構想そのものが撤回の憂き目を見た。次期市長選を9か月後に控えた上田”パワハラ&ワンマン”市長が一敗地にまみれた「劣勢」の挽回に恥も外聞も投げ捨てて走り出した―というのが私の見立てである。

 

 たとえば、“ひな型”にはご丁寧にも「JR花巻駅自由通路(橋上化)整備に係る調査の実施及びその早期実現を求める要望書」なるタイトルまで用意されている。また、4月14日、花巻商工会議所(高橋豊会頭)から講演の依頼を受けたという研修会には鈴木之・建設部長が直接出向き、約80人の関係者を前に22ペ―ジにわたる資料をもとに説明。約2週間後には早手回しに「駅はまちの中心。まちの発展に整備は必要だ」とする要望書が提出され、「皆さんに必要だと言っていただき、ありがたい」と頭を下げる上田市長の姿が地元紙に掲載された。

 

 要望書を提出した団体は5月7日現在で、他に「県旅館ホテル生活衛生同業組合花巻支部(安藤昭支部長)、「花巻温泉郷観光推進協議会」(高田貞一会長)、「花巻東高校」(小田島順造校長)、「県立花巻南高校同窓会」(瓜生祐子会長)と同PTA(山田道宏会長)などで今後も“要望書ラッシュ”が予想されている。と思っていた矢先、市長日程を見ると「(5月)11日、花巻地区コミュニティ会議からの要望対応」とちゃんと、載っているではないか。あまりにも見え透いた”猿芝居”とはこのこと!?

 

 「“外堀”を埋めながら、いったん否決された調査費をふたたび、上程してくる可能性もある。しかし、市民の負託を受けた議員が本会議場で議決した意志は議会制民主主義の立場からも尊重されなければならない。一部の議員が当局側のお先棒を担ぐような愚(ぐ)は許されない」―。「百条委員会」の設置も考えるべきではないか…そんな声もチラホラ聞こえてくる。地方自治法はこう定めている。「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる」(第100条)…いわゆる、“伝家の宝刀”―百条調査権を指している。

 

 「住宅付き図書館」の駅前立地構想がまだくすぶる中、もうひとつの“駅前戦争”が再燃しそうな気配である。ところで、図書館立地に関していえば、先月26日開催の「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」で配布された資料の中に、こんな重要事項がさりげなく書いてある。「JR東日本盛岡支社は(駅前用地の)買取り協議に応じる意向(今後、条件を協議)」―油断も隙もあったもんではない。

 

 

 

(写真は上田市政を揺るがすJR花巻駅。この一帯がかつて、市民の篤志家から寄付された土地であったことは忘却のかなたへ)

 

 

 

《注―1》〜大阪・池田市長も百条委員会に喚問

 

 自治体の首長が百条委員会に喚問された例は直近では、市長室にサウナを設置する案件や職員に対するパワハラ問題などで批判された大阪・池田市の冨田裕樹市長の例がある(4月8日付当ブログ参照)。この件については先月27日、同市議会の百条委員会が同市長を地方自治法違反(虚偽陳述)の疑いで大阪地検に刑事告発する議決を可決している。こうした動きを受け、同市長は「高齢者へのワクチン接種が終わった時点で、辞職したい」と話している。

 

《注―2》〜呼称の変更

 

 上田”パワハラ&ワンマン”市長(市政)が今後とも当ブログにひんぱんに登場することが予想されるため、煩雑さを避けるため、それぞれの属性(Power−harassment、One−man)の頭文字を取り、「上田PO」市長(市政)、あるいは「Mr.PO」と呼称を簡略化したい。ちなみに、「PO」とはその筋では新規公開株を意味する言葉らしい(今の情勢に照らせば、さしずめ感染力の強いコロナの変異株?)。「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」――「当たらない」時に使われることが多く、「外れても気にするな、信用するのはほどほどにしておけ」という含意が込められている。

 

 

 

 

《追記》〜市民の間にも”疑念”?

 

 「上田市政について」というタイトルで、こんなメールが当該ブログに関連して送られてきた。市民の目も”節穴”ではないということである。「完全にやらせ、国政と同じ。それらの団体は、手順を踏んで決定したんだろうか?既に交わした業界を含めた関係者との約束を果たすため、金と数に頼ろうとしているだけだと思います」

 

  

 

 


2021.05.07:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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