“異論”排除のWS!!??…公募方式が廃止へ:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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「強い意見をお持ちの方が、その市民説明会の全体の進行をコントロ−ルするようなことになって市民全般の意見を聞くことができない場合には、また別の方法も考える必要があります。場合によっては、我々のほうから指名しながら…そういう中で検討していただくような組織の立ち上げというのもあり得る」(令和4年3月定例会会議録より)―。JR花巻駅の橋上化(東西自由通路)構想に関し、上田東一市長はこう答弁していたが、その市民説明会が3日から始まった。10月初めにかけて市内19か所で行われるが、事前の“参加者”選別がなかったことにひとまず、ホッと胸をなでおろしたのもつかの間…
一方で、市民参画の基本原則であるWS(ワ−クショップ=意見表明)への参加公募枠が廃止されていることが明るみに出た。当市では令和6年度から始まる「第2次花巻市まちづくり総合計画」の策定に向け、今年7月以降、若者や一般向けのWSを開催。来年にかけて合わせて10回を予定している。従来のWSの参加者の選定に当たっては、たとえば5人前後の人数制限で全市民を対象にした「公募枠」が設けられ、それなりに公平な意見集約に配慮がなされてきた。ところが、今回のWSではこれに代わって「無作為抽出型応募」方式(一般部門)が導入された。
具体的には、市内全域の23歳以上の市民から無作為抽出した400人に参加の意志を確認する文書を郵送し、応募があった市民に参加を依頼するという方式。今回は17人の応募があり、これに関係団体から推薦があった22人を加えた39人体制でスタ−とすることになった。人選の手法を変更したことについて、総合政策部総合政策策定室の村田豊隆次長はこう話す。「先進事例を参考にしながら、より広範囲に意見を集約するために新たにこの手法を導入した。抽出については年代や性別、地域を超えてまんべんなく選んだ」
苦い経験がある。現在進行中の新図書館構想のWSに私は公募枠で応募し、採用された。図書館のあるべき姿を求め、私なりに勉強を重ねた結果を一生懸命に意見具申したつもりだった。結局は「一部の人の意見」として退けられ、当局案がWSの“お墨付き”を得た形で一件落着となった。一事が万事…住民自治の基本であるはずの「市民参画」は形骸化し、「とりあえず、市民の皆さまのご意見は承りました」という当局側の“アリバイづくり”に安住している姿を身をもって体験したのが他ならない私だった。
「それにしても、公募制をなくすとは余りにも強引すぎるのではないか。ある種の“門前払い”と受け取られても仕方がない」という問いかけに村田次長は涼しい顔で応じた。「市民参画にはこのほかに市民アンケ−トや説明会、パブリック・コメント(意見募集)などメニュ−がたくさんありますから…」―。私は冒頭の上田「発言」に接した時のショックを当時のブログ(3月2日付)に「排外主義という強者の論理が悪夢のようによみがえった」と書き記している。「強い意見」(上田市長)という言葉の背後に見え隠れする“底意”……。イ−ハト−ブの“愚民化”政策は止まるところを知らない。「市民の意向を最大限尊重」というこの人の常套句は一体、どこに行ったのか。
なお、この日(7日)の市議会一般質問で、新人の似内一弘議員(無会派)が総合計画に関連し「市民が主体的にかかわる参画手法こそが重要だ」と指摘したが、「公募枠」の廃止という肝心な“入り口論”に触れることはなかった。
(写真はWSの成果を伝えるHP掲載のニュースレタ−)