衣の袖から鎧(よろい)が…上田3選「市政」が強行突破の構え!?:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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衣の袖から鎧(よろい)が…上田3選「市政」が強行突破の構え!?


 

 「強い意見の人が進行の妨げるような場合は公平を期した上で、参加者を指名することもあり得る」―。花巻市議会3月定例会の一般質問の答弁の中で、上田東一市長は花巻駅の橋上化(自由通路)をめぐる住民説明会の持ち方について、こう述べた。思わず、のけぞってしまった。思い出すのも口にするのもはばかられる、あの戦争の世紀、いや目の前のウクライナ危機でも繰り返される”排外主義”という強者の論理が悪夢のようによみがえったからである。

 

 この案件は今次の市長選でも大きな争点になり、その成り行きに市民の関心が高まっていた。計画の進捗状況をただしたのは、上田市長の後援会事務局長を務める照井省三議員(平和環境社民クラブ)。実はこの人はいったん否決された「橋上化」予算の再上程をめぐって、各種団体への要請行動を促したとして、市民の間で疑念が抱かれていた。

 

 まるで“露払い役”みたいな質問に上田市長の口から次々と新真実が飛び出した。冒頭のびっくり発言に続いて、こんな答弁が…。「予算化された追加調査は6月をメドに結果が出ることになっている。それを前倒しする形で、すでに土木や電気関係の調査は発注済みで、計画は順調に進んでいる。経費の縮減などについては今後も検討していく」としつつも、一方でその舌の根も乾かないうちに、冒頭のような「反対者」排除を示唆する強権発動…。「衣の袖から鎧がチラリと見えた」―瞬間だった。ところで件(くだん)の照井議員は旧新興製作所跡地(花巻城址)の利活用をめぐっても当時、パチンコ店やス−パ−マ−ケットの進出計画と引き換えに市有地化に反対するなど「上田」与党としての役割を演じ続けてきた。もうひとつの“後援会”疑惑が表ざたになった。

 

 「市が90%以上を出資する第3セクタ−の社長が先の市長選での上田市長の後援会幹部に名前を連ねている。道義上、問題ではないか」―。櫻井肇議員(共産党花巻市議団)はこの日、こう追及した。「不適切だが、法的には問題ではない」―。市議在職中、耳にタコが出るほど聞かされた、例の“目くらまし”みたいな自説が始まった。「当該人物が公職選挙法136条(公務員等の地位利用による選挙運動の禁止)に抵触しているわけではない。市長選とのかかわりはその方の自主判断によると思われ、まったく問題はない」―。「そんな法律論を聞いているのではない。つまり出資率からみると、ほとんど市の直営ともいえる会社の社長があなたの選挙参謀を務めた。このことが 世間の目にどう映るかということだ」と櫻井議員はたたみかけたが、上田市長は「個人と会社(第3セクタ−)は別人格」と切って捨てた。

 

 「この人の辞書には“社会通念”という言葉はない」と常日頃から思ってきた。口を開けば「コンプライアンス」(法令遵守)と言いながら、実はハナからそんな意識はないということの証左である。世間的にはこの種のことを「詐欺手法」という。さらに、この日の答弁からは「不適切」という3文字さえも消えていた。上田“進軍ラッパ”があちこちで響き始めた。なお、本日の傍聴者は昨日より少ない、わずか9人だった。

 

 

 

(写真は社民の旗を掲げならが、上田市長の「パワハラ」疑惑にも耳をふさぎ続けてきた照井議員=3月2日午後、花巻市議会議場から、インターネット中継の画面から)

 

 

 


2022.03.02:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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