上田流「定住促進」の虚実…人口が北上に抜かれ、県内第5位に転落!!!???:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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「令和元年及び2年においては139人及び87人の人口社会増が実現されました。人口の社会増を維持していくために、民間宅地開発支援を含む定住支援策を充実すると共に…」(上田東一市長の後援会しおり「子供達の未来/はなまきを創る」から)―。上田市政の看板政策だった子育て支援を含む定住促進策が結局は実を結ぶことなく、かけ声倒れに終わっていたことが県の人口動態調査で明らかになった。それによれば、2021年12月1日付でお隣の北上市に人口比で1034人の差を付けられ、盛岡、奥州、一ノ関、北上の各市に次いで県内の第5位に転落した。
当市・花巻の人口減は年々進んでおり、その減少幅は毎年千人前後で推移し、歯止めがかからない状況が続いている。死亡数から出生数を引いた自然減に比べて、人口増を促す社会増が下回っていることが北上市との比較で鮮明になっている。ちなみに、12月1日現在の人口比は花巻が92,164人に対し、北上は93,198人。また同じ比較で花巻の社会増が39人だったのに対し、北上は52人。逆に自然減が花巻の72人に対し、北上は63人と歴然たる差が見て取れる。
一方、令和元年度に社会増が急増した背景として、上田市長は「三重県から100人ほどの転入があったことから、北上市への新規工場立地が大きな要素となったと捉えている」(市議会3月定例会での「市長演述」)―と北上市に進出した半導体メ−カ−「キオクシア」(旧東芝メモリ)の“波及効果”(他力本願)を暗に認める発言をしている。キオシクアの工場拡張はたとえば、半径5キロ以内の空き倉庫の確保や従業員専用の民間アパ−トの新築ラッシュなどの形でジワジワと当市に浸透しつつある。中には住宅不足から、大沢温泉自炊部を常宿にしている従業員も…。さらには社会増を底支えしてきた沿岸被災者(189世帯、346人)の一部に対し、共益費を肩代わりさせていたなどの不祥事も明るみに出るなど「定住促進」の虚実も浮き彫りになった。
「定住促進住宅取得等補助金」や「子育て世帯住宅取得奨励金」などの住宅取得支援や高校生までの現物給付による医療費助成、第3子以降の保育料の対象拡充、産後ケア、産前・産後サポ−ト、保育所の整備、保育士等確保対策、妊産婦交通費支援などなど…。上田市長が次々と打ち出す、その場限りの思いつきとも受け取れる場当たり的な”対症療法”が必ずしも奏を功しなかった―というのが2期8年間の上田市政の総決算ということになろうか。
こんな難問を抱えた中、年明けの令和4年1月23日には新市長が誕生する。新人候補の小原雅道氏にとっても、少子高齢化社会は避けては通れない関門である。隣り合う自治体が互いに背を向け合うのではなく、たとえば、「工場化」(北上)VS「住宅化」(花巻)の“棲み分け”をどうするかなど、隣市同士の連携手腕も問われることになる。
来年の干支(えと)は「寅」(虎)―。「虎の威を借(か)る」市政からの脱却ができるかどうか。その一方で、「虎穴(こけつ) に 入らずんば、虎子(こじ)を得ず」―の覚悟も忘れずに…。では、みなさん、良いお年と良い初夢を―
(写真は人口が減り続け、シャッタ−通りと化した中心商店街。人通りはほとんどない=花巻市鍛治町で)