えっ!?…万死にも値する「大罪」に給与減額、たったの100分の10 だって!!!:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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えっ!?…万死にも値する「大罪」に給与減額、たったの100分の10 だって!!!


 

 藤原忠雅・副市長の“会食”事件にかかる処分問題を審議する花巻市議会臨時会が23日開催され、上田東一市長と藤原副市長に対し、月額給与からそれぞれ100分の10を2カ月間減額する「花巻市常勤特別職の給与の減額支給に関する条例」が賛成多数で可決された。開会前の冒頭、今回の事案について、二人が自席で謝罪したのに続き、上田市長が12歳未満の児童に対して誤ってワクチン接種した件について、謝罪した。この“ダブル”謝罪を受け、櫻井肇(日本共産党)と近村晴男(花巻クラブ)、羽山るみ子(同)の3議員が相次いで「減額」条例について、ただした。

 

 「トップの責任も問われる異常な事態。減額の判断根拠は何か。会食に参加した人に対し、万が一に備えてPCR検査をすべきではないか」、「副市長は市長に不測の事態が起きた時は職務執行代理者として、指揮監督する立場にある。今回の事態は過去に例のない想定外の不祥事で、全国的にも注目されている。100分の10という減額について、妥当だと考えているのか」―。答弁に立った松田英基・総合政策部長は「職員の法令違反にかかる監督責任などの先例を参考にした。最終決定の協議には市長と副市長も加わった」と“減額”当事者と一緒に協議したという驚くべき事実を口にした。今回の事案を重く見た私が過去の参考例を詳細に調べた結果、減額幅が3倍、期間が2倍というケースがあった。しかし、今回の「減額」条例の説明ではその点については一切、触れられなかった。

 

 質疑を締めくくる形で羽山議員が「今回の件を市側に連絡した、いわゆる“通報者”に対してSNS上などで誹謗中傷する声が飛び交っている。市長はコロナ感染者に対する批判を戒めた経緯がある。合わせて会食に参加した親族の方も肩身の狭い思いをしているにちがいない。今後、このような(個人の人権を侵害するような)ことがないよう市長から強力なメッセ−ジを発してほしいと思うが、どうか」と発言。松田部長が「前向きに検討させていただきたい」と答えた。コロナ禍の中、多くの人たちが心身ともに不安な日々を余儀なくされている今だからこそ、トップとしての矜持(きょうじ)を現わす意味でも、熱いメッセージが待たれるのである。

 

 今回の不祥事をめぐる議会質疑を中継画像で見ながら、「この問題の根は深いな」と思った。「Mr.PO(パワハラ&ワンマン)」(上田市長)の市政運営の“闇”の部分を解明するため、この日以下のような質問状を「市長へのメ−ル」を通じて、送信した。全文を掲載する。

 

 

 今般の藤原忠雅・副市長の“会食”事案に関し、以下について行政トップの上田東一市長の見解を求める。誠意ある回答を期待したい。また、回答があり次第、その内容をそのまま、当方が管理するブログ「ヒカリノミチ通信」に掲載することを申し添える。

 

 

1,今回、市長と副市長に対して、給与の“減額”処分が科せられることになったが、その処分理由は何か。究極の「コンプライアンス」違反と見る向きもあるがどうか。

 

2,処分するに際して、根拠となる規定などの取り決めはあるのか。市長は緊急の「お詫び」会見(8月19日)の中で、「副市長についての処分、あるいは私の監督責任について、今担当部署に検討してもらっています」と話しているが、己の処分の検討を担当部署にやらせるというのは本末転倒ではないのか。市民が納得できる説明を求める。

 

3,つまり、言葉の厳密な意味で今回の事案は「常勤特別職」(市長及び副市長)自身が“被処分者”の立場に置かれているということである。今回の“減額”処分は誰がどのような認識もとで決定したものなのか―その経緯を明らかにしてほしい。

 

4,今回の「減額」条例の参考先例としては、平成29年4月1日に施行された条例がある。この事案は農業委員会職員の有印公文書偽造事件に関連し、当時の常勤特別職(市長及び副市長)に対し、2カ月間月額給与から100分の10を減じた額を支給する内容で、いわゆる“部下の不祥事”に対する「監督責任」を取るという通例の手続きである。今回の「減額」条例もほぼこの先例を踏襲したもので、減額幅や期間も同じ内容になっている。こう理解してよいか。

 

5,前市政下の平成25年6月定例会にも同じような「減額」条例が提出されたことがあった。入札妨害や著作権侵害、職員の飲酒運転など重要事案に対する「指揮監督」責任を取る内容で、当時の市長には4か月間月額給与から100分の30,副市長に対しては100分の15を減じた額を支給するという厳しい内容だった。これに比べて、今回は減額幅に大きな隔たりがあるが、この処分が妥当なものだったと考えるか。

 

6,以上言及したように、今回の事案がこうした先例と決定的に違うのは、本来「監督責任」や「指導責任」を担うべき「常勤特別職」自身がこの事案の当事者の位置に立たされているということである。

 

 とくに、副市長の職務は「花巻市職員倫理規定」(平成25年5月)における「総括倫理監督者」、また、職員を処分する際の「花巻市職員分限懲戒等審査委員会」(平成27年8月付同規定)の委員を兼務し、さらには委員長の任命権も与えられている。一方で、コンプライアンス防止などのために定められた「花巻市不正防止に係る内部通報に関する規程」(平成27年8月)では、仮に市長自身が“被通報者”の立場に立たされた場合は「副市長に報告しなければならない」とその職務の重大性が明記されている。そして、行政トップの上田市長はその副市長を指揮監督下に置くという立場にある。市長としての立場から、今回の事案についての認識を伺う。

 

7,そもそも、今回の事案はコロナ禍というこれまで人類が経験したことのない“未知の世界”で発生した想定外の出来事である。加えて、本来なら組織内に範を示すべき“上司”が当事者として直接、事案に関与したという点でも特異である。今後の教訓として生かすためにも、こうした「想定外」の事態に対処するための第三者委員会のような組織を設置すべきだと考えるがどうか。

 

8,「イ−ハト−ブはなまき」のイメ−ジを全国規模で失墜させたという意味で、今回の事案は刑事罰にも劣らない“大罪”ともいえる。さらには、公務員の信用を失墜させたという「信用失墜行為」にも該当すると言わざるを得えない。こうした場合、その当事者自身が己の出処進退を判断するというのが、日本の政治家の昔からの流儀と言われてきた。本来なら”性善説”に依拠していたはずの政治家像がいま、崩壊している実態は周知の事実である。今回の事案を“自己責任”という観点からどう認識しているか―最後に伺いたい。

 

 

 

 

(写真は議場の自席で深々と頭を下げる上田市長(右)と藤原副市長=8月23日午後、花巻市議会議場で。インターネット中継の画面から)

 

 


2021.08.23:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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