上田“パンデミック”拡大の兆し…問われる危機管理能力、またしても”責任逃れ”!?:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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上田“パンデミック”拡大の兆し…問われる危機管理能力、またしても”責任逃れ”!?


 

 「申請に必要な添付書類の不備が多い状況です。『特別定額給付金』の申請には以下の添付書類が必要ですので、忘れずに添付のうえ、申請いただきますようお願いいたします」―。5月11日付の花巻市のHPにこんな記事が掲載された。この日の午前中にこのいわゆる「10万円給付」申請書を投函した後で、必要書類の添付を忘れたことに気が付いた。自分の不手際で現場の職員に迷惑をかけることになったと申し訳なく思ったが、「待てよ」と念のために送られてきた一式書類を点検してみた。

 

 「代理申請(受給)を行う場合」という書類に本人確認書類の写しのなどを貼り付ける欄があった。てっきり、添付書類は代理申請の際に必要なものと早合点したのだった。さらに、総務省が示した様式(ひな型)では給付対象者(住民票の世帯員)の記入欄が6人分であるのに対し、当市の場合は2倍以上の13人分。大家族が多いという何か数字的な裏付けでもあるのだろうか。国が示したひな形では添付書類の貼り付け用紙が別刷になっており、これならば、私のような早とちりも未然に防止できたのに…

 

 花巻市は今月7日、県内自治体に先がけて申請受付と給付を開始し、県内でトップと地元紙やテレビでも報じられた。大型連休に職員延べ40人を動員し、初日には約1万世帯分の書類を発送した。スピ−ド感のある対応に感謝し、自分のうかつさを詫びようと給付担当者に連絡を取った。「実は申請書類の不備は予想を大きく上回っているんです。あなたと同じように誤解を与えるような面があったと思う」と逆に頭を下げられた。「拙速」を戒める立場にあるべき行政トップが逆に「ランキング至上主義」の陥穽(かんせい)におちいり、現場の疲弊が日増しに高まっているのではないかと心配になってきた。ちなみに支払い日程について、たとえば奥州市では5月19日以降、北上市では同28日以降、順次、振り込む旨のロードマップを示している。

 

 旧型「U−V」なる隠語が市中でささやかれている。上田東一市長の「ワンマン」市政を“上田ウイルス”になぞらえる言葉である。今回のコロナ危機以前から、その市政運営にはパワハラ疑惑が付きまとうなど市民の間から不信感が高まっていた。最高学府の出身者にありがちだが、この種の人間には「とにかく上へ、上へ」という上昇志向のDNAが潜んでいるらしい。たとえば、いまでは「諸悪の根源」と冷ややかな視線が注がれるようになった新図書館構想の財源と目される「立地適正化計画」について、上田市長は「全国の自治体で3番目の策定」と口を開くたびに鼻高々だった。しかし、強引なその手法が議会側の反発を食らって、とん挫したことは記憶に新しい。

 

 この人がその真骨頂を見せたのが…つまり、危機管理能力のなさを満天下にさらしたのが、コロナ禍の真っ最中にHP上に公表した“釈明”事件(5月7日付=9日付の当ブログの「注」参照)である。「自己弁護」に終始するような文章を臆面もなく公にする無神経さが今回の「10万円給付」騒動の背後に見え隠れする。また、何が起こるかまったくもって分からない。市側は郵送やインタ−ネット(オンライン)による申請の他に直接の受け付け窓口を12日から生涯学園都市会館(まなび学園)と総合支所(3か所)に広げたが、「スピ−ド第一」が謳い文句だった支給が先延ばしされることは避けられそうもない。私は自分のミスを率直に認め、申請をやり直そうと思っている。そんなことよりも「コロナ」最前線に身を置く職員や医療関係者の皆さんの健康を心から祈りたい。

 

 

 

(写真は開庁前から申請の受け付けを待つ市民=5月12日午前8時半ごろ、花巻市花城町のまなび学園で)

 

 

 

《追記》〜”責任逃れ”の文書に、「この人らしいなぁ」と逆に納得の虚しさよ!?

 

 本日(5月16日)、花巻市から「10万円支給」に関する書類不備のお詫びと申請書再提出の依頼文書が届いた。本来、この種の文書は行政トップ(市長)名になるのが常識だが、今回の差出人は「健康福祉部地域福祉課特別定額給付金室」。実務を担うのは確かにこの部署だが、コロナ禍の中で国が決定した重大施策にもかかわらず、”責任逃れ”とも受け取られかねない文書を決裁した、この人の心性はもはや理解の域を超えている。現場に責任をなすり付けようという魂胆がミエミエ。仮にそうだとしても、現場のミスを己で受け入れるのが危機管理の要諦(ようてい)であり、トップとしての矜持(きょうじ)でもある。最前線の職員の心労は察して余りある。と同時に、こんな人物に1票を投じた自分自身の不明(ふめい)を恥じるばかりである。

 

 

 


2020.05.14:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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