男と女の“棺桶”リスト:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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「女房に先立たれた夫は大体、2年以内に死ぬらしいぞ」(2019年1月29日付当ブログ参照)―。歯に衣着せぬ盟友のジャズミュ−ジシャン、坂田明さん(73)からこんな“ご託宣”を受けてからさらに時が流れ、ふと気が付けば本日(10月29日)が14回目の月命日である。ということは、坂田さんの定理に従えば、私の余命は最大であと9か月ということになる。「老い先」のことはなるべく考えないことにしていたが、チコちゃんから「ボ〜っと生きてんじゃね−よ」(NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」)と一喝(かつ)され、我に返った。折しも、こんな自分にお灸(きゅう)をすえてくれるような映画が公開された。
「最高の人生の見つけ方」(犬童一心監督、10月11日公開)は、人生のほとんどを家庭のために捧げてきた主婦・幸枝(吉永小百合)と、仕事一筋に生きてきた大金持ちの女社長・マ子(天海祐希)が主演。がんの余命宣告を受けた2人は病院で偶然に同室となる。人生に空しさを感じていた2人は難病で入院中の少女が残した…「死ぬまでにやりたいことリスト」をたまたま手にする。幸枝とマ子は、残された時間をこのリストに書かれたすべてを実行するために費やす決断をし、自らの殻を破っていく…。「人生の中の幸せの時間というのは永遠には続きません。だからこそ、できるだけハッピ−に見える時間を作るようにしました」と犬童監督は語っている。何となく勇気をもらったような気持になった。
実はこの映画には“元祖”がある。米国で2007年に公開され、世界中で大ヒットした同名の映画(ロブ・ライナ−監督)である。がんで余命半年を宣告された大富豪の剛腕実業家(ジャック・ニコルソン)と勤勉実直な自動車修理工(モ−ガン・フリ−マン)がこっそり、病院を抜け出し、人生最後の旅に出るという場面で映画はクライマックスを迎える。ところで、「The Bucket List」―つまり、“棺桶リスト”がこの映画の原題である。まさに、言いえて妙(みよう)。チコちゃんの言うように、ボ〜っと生きている暇なんてない。
「何でも手に入れることができた人間が本当に欲しかったものは?」、「最後に見つけた本当の幸せとは?」…。この二つの映画に共通するテーマである。さ〜て、わが男やもめも我流の“棺桶リスト”を作ってみることにするか。と、ここでまた頭を抱えてしまう。「果たして同じ境遇の相方がすぐに見つかるかなぁ」。とりあえずは以下の手引書をわきに置きながら、じっくり考えて見ようと思う。“棺桶リスト”を完成させないままに哀れな人生に幕を閉じることになるのか、それとも何か奇跡が起きるのか……
【男たちの棺桶リスト】
・スカイダイビングをする
・ライオン狩りをする
・万里の長城をバイクで走る
・ピラミッドを見る
・香港に行く
・壮厳な景色を見る
・エベレスト登頂
・世界一の美女にキスをする
・泣くほど笑う
・見ず知らずの人に親切にする
【女たちの棺桶リスト】
・スカイダイビングをする
・お金持ちになる
・ももクロのライブに行く
・日本一大きなパフェを食べる
・他人のために何かをして喜んでもらう
・さかあがりが出来るようになる
・パパとママにありがとうを言う
・ウェディングドレスを着る
・好きな人に告白をする
・宇宙旅行をする
(写真は日本版「最高の人生の見つけ方」のポスタ−=インタ−ネットに公開の写真から)