プロポーザル選定委員会も「非公開」に…果たして、公平性は担保されるのか〜見事なまでの“出来レース”!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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プロポーザル選定委員会も「非公開」に…果たして、公平性は担保されるのか〜見事なまでの“出来レース”!!??
2024.06.27:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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「JR駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の建設候補地選定に係る「プロポーザル」選定委員会の第1回会議が27日「まなび学園」で開催されたが、冒頭で「非公開」が決定され、私を含めた傍聴希望者(2人)は会場への入場を拒否された。HP上の告示によると「実施要領の内容確認 や企画提案書などの審査及び選定方法について」―などが議題になっていたが、非公開の理由については「花巻市情報公開条例」(第7条第5号)によるとされた。総合花巻病院に対する財政支援に係る議員説明会(3月22日開催)に続いての“密室”協議に市民の間から「行政の透明性に逆行する暴挙。到底許せない」という批判が上がっている。
そう言えばこの件に関して今回、関連文書の開示請求をした際、選定委員の内訳については「非開示」とされ、“屁理屈”にもならないようようなことが延々と書き連ねてあった。「選定委員の構成案が事前に公になることにより、プロポーザルで企画提案を狙う事業者などから各人に対し、不要な接触や連絡などをすることが想定され、強い働きかけなどがあった場合、選定委員会での審査などに支障をきたす恐れがある」―。“やぶ蛇”とはこのことではないのか。こんなリスクを抱えてまでなぜ、プロポーザルにこだわるのか…疑念は逆にいや増すばかりである。そもそも、外部から選ばれた委員の皆さんに対し、失礼が極まる話ではないか。
一方、委員会は市側から松田副市長ら3人のほか、図書館の専門家として富士大学の早川光彦教授、外部有識者として市民参画・協働推進委員会委員、社会教育委員の計6人で構成された。この中で早川教授は「としょかんワ−クショップ」や「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」などのアドバイザー(有償)という立場にあり、「駅前立地」に実質的な“お墨付き”を与えた当事者のひとりとも言える。こうした構成自体にも「公平性」の観点から疑念が噴出している。単純に言えば、6人の委員中4人(うち、市職員関係者3人)が「駅前立地」を鮮明にしているという塩梅(あんばい)である。
図書館候補地を「プロポーザル」方式で選定した前例に大阪府豊中市がある。同市は中央図書館(仮称)の候補地(市有地を含む3か所)について、令和4年4月から1カ月間公募を行い、応募があった「 アカデミック・リソース・ガイド株式会社」と「株式会社建設技術研究所(大阪事務所)」の2事業者うち、後者が提案金額 9,361,000 円で受託事業者に決まった。これを受け、市側の「第一優先候補地選定委員会」において、阪急電鉄(宝塚本線)曽根駅前の民有地への立地が決まり、図書館本体の基本計画作成などの業務委託も同じ事業者が受託している。
豊中市の場合、選定委員は市長部局と教育部局から各2名で構成され、選定理由についてはこう指摘している。「豊中市の地域特性や公共施設の立地などの状況を熟知しており、都市計画や建築計画などの豊富な経験・実績から、市民に分かりやすい原案の作成が期待できる。採点結果はプロポーザル実施に関するガイドラインに基づき非公開とする」
選定にもれた「 アカデミック・リソース・ガイド」(arg)は「学問を生かす社会へ」をモットーに図書館などの公共施設や商業施設のプロデュースを手がけ、図書館プロパーとして知られる。直近(5月)でも富谷(宮城県)市民図書館等複合施設市民参画・協働推進事業支援業務や須崎市(高知県)図書館等複合施設の運営形態探求支援業務などを受託。代表の岡本真さんには『未来の図書館、はじめませんか』(共著)や『図書館100連発』(同)、『未来の図書館、はじめます』(単著)などがあり、図書館初心者にとっての入門書になっている。なお、受託事業者は日本で最初の建設コンサルタントと言われている。
「ハードよりもソフト」―。“知のインフラ”とも呼ばれる図書館のあり方は未来を拓(ひら)く扉でもある。当市の選定委員会がどんな選択をするのか、その成り行きに注目が集まっている。
(写真は病院跡地への立地を求める署名活動。その数はすでに8,000筆を超えた。街頭署名は毎月第3日曜日午前11時から、イトーヨーカドー花巻店で行われている=花巻市下小舟渡の同店で)
《追記―1》〜情報公開条例第7条第5号(審議、検討等に関する情報)
「市の機関、国の機関、独立行政法人等、市以外の地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」ー。ところで、肝心のプロポーザル選定委員会の設置根拠である「委員会設置要領」(6月19日付)についてのHP上の告示はいくら探しても見つからないーというはてな(?)
《追記―2》〜民主主義も”知る権利”さえもへったくれ…「イーハトーブ」の底抜けた!!??
この日の委員会のHP上の傍聴案内にはこうあった。「花巻市審議会等の会議の公開に関する指針第3条に規定される公開基準に基づき、同第4条により公開又は非公開を決定します。非公開となった場合は、退席いただきますのでご了承願います」―ところが、2人の傍聴希望者は冷房が切られ、ムンムンする廊下の椅子にざっと15分ほど待機させられた(受付開始時間を含めると約45分間の耐久レース)
「公開の原則」どころか、門前払いの体(てい)。まるで、関所に行く手を阻まれた”暴徒”扱い。これって、“人権侵害”にも匹敵するんじゃないのか。その昔、私の周りにはこうした”狂気の沙汰”を唾棄(だき)する空気が漂っていたような気がする。委員諸氏よ、傍聴者を締め出しておきながら一方で、プロポーザル(企画・提案方式)を「公募」するなどという、ふざけた話はいい加減にして欲しいものである。
《追記―3》〜タネ明かしをもうちょっと??
プロポーザル選定委員会が決める受託事業者(いわゆるファシリテーター)は10月中旬に公表予定の(建設候補地の)「事業費」比較調査を参考にするとしているが、実はこの調査を受託しているのが(株)大日本ダイヤコンサルト。しかも、入札参加業者10社すべてがJR各社と請負関係にある独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(JRTT鉄道・運輸機構建=前身は鉄建公団)の有資格業者で、どこが落札してもJR寄りの事業者に落ち着くという構図だったことが明らかになっている(詳しくは1月30日付当ブログ参照)
《追記―4》〜「タネ明かしをもうちょっと」のもうちょっと(追加)???
独立行政法人「JRTT鉄道・運輸機構」は鉄道周辺の工事の安全確保のため、「線路近接工事安全対策」を定め、工事に参入できる有資格名簿を公表している。花巻市内でこの資格を有する企業は全部で11社。この中の1社が「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」の委員で、花巻商工会議所副会頭でもある「(株)中央コ−ポレ−ション」の佐々木史昭社長である。「駅前立地」を主導してきた人物として知られ、「JR花巻駅橋上化(東西自由通路)と図書館の駅前立地」がワンセットで実現すれば、この二つの巨大プロジェクを優先的に受注できる立場にある(詳しくは2023年9月4日付当ブログ参照)
《追記―5》〜公開された委員名簿(敬称略)
・松田英基(市副市長)
・岩間裕子(市総合政策部長)
・古川昌(市財務部長)
・早川光彦(富士大学教授、経済学部=図書館学)
・関上哲(市市民参画・協働推進委員会副委員長、富士大学准教授)
・菊池豊(市社会教育委員会議委員)