足元からも「総スカン」…意見集約の”ファシリテーター”論争!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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足元からも「総スカン」…意見集約の”ファシリテーター”論争!!??


 

 「よくわかりません。今の説明ですけど、何を言っているか全然わかりません」―。冷静沈着で筋道の通った質疑応答に定評がある伊藤盛幸議員(緑の風)が珍しく、激した口調でこう続けた。「コンサルと言いますか、プロ ポーザルで外部に業務委託するという必要性を全く感じません。優秀な市の職員の皆さんはこれできると思います。そういう意味では、アンケート(調査)は直営でやれますよね。市民から意見をもらうのは単純なものじゃないですか。どっちかにしようっていう集約をしようとしているわけですからね。違いますか」(5月15日開催の「議員説明会」会議録から)

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の立地場所について、その意見集約の方法を外部(ファシリテーター=進行役)に委託して決めたいという突然の市側の提案にあちこちから批判が噴出している(5月14日と同23日付当ブログ参照)。議員説明会で口火を切った伊藤議員は市職員の出身で、在職中は「市民参画」のあり方を検討する中心人物として働き、議員になってかは議会が設置した「新花巻図書館整備特別委員会」の委員長を務めた。一方、前日に開かれた「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」では中村萬敬委員が「ギブアップではないか。責任放棄もはなはだしい」と切って捨てる場面があった。中村委員も元市職員で図書館長の経験がある。「職員(公務員)としての使命感」を訴える先輩職員の声が現場にはどう届いたのか。

 

 「業者に意思決定を丸投げするというそのスタ ンスは私はどうかと感じる」―。3年前に「試案検討会議」が発足して以来、委員を務めている花巻商工会議所副会頭で、公益財団法人「花巻国際交流協会」の佐々木史昭理事長は一貫して、駅前立地を主導してきたひとりである。その“駅前”論者が今回の外部委託に愛想が尽きたかのように、まくしたてた。

 

 「10月の段階で客観的な資料(候補地比較調査)が出てきたのを市民の方々にもうそのまま、ある程度は見やすくしながらも見ていただいた後、(住民)投票するのがいいと思います。もう裏表なく多数決で決めちゃう。もう絶対多数が病院跡地の方がこれだけ多いならしょうがないなとか、なんか納得感が出るのではないかなと。私は究極の民主主義は選挙だと言うように感じまして…。私はもう多数決がいいと思います」(5月14日開催の「試案検討会議」会議録から)―。

 

 佐々木委員の発言を聞きながら、あとは上田東一市長の政治決断しかないなと思った。当初、病院跡地への立地を提唱していたのは他ならない上田市長自身だったからである。トップにだけしか権限行使が認められていない“伝家の宝刀”とは以下の定めである。さて、いつ引き抜くことか。

 

 

 「市長は、市政に係る重要事項について、住民(市内に住所を有する者をいいます。 以下同じ)の意思を市政に反映するため、住民投票を実施することができます。市民、市議会及び市の執行機関は、住民投票の結果を尊重するものとします」、「住民投票の投票権を有する者は、住民のうち年齢満18年以上の者とします」(平成20年3月制定「花巻市まちづくり基本条例」第24条ならびに第25条=住民投票)

 

 

 

 

 

(写真は令和3年4月26日に開催された第1回試案検討会議。夢の図書館を目指して、スタートしたはずだったが…=花巻市大通りのなはんプラザで)

 

 

 


2024.05.26:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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