岩手県知事選の”狂気の沙汰“(中)…「健常者優位主義」を公然と口にする候補者とは!!??〜今宵は願いごとが叶うス−パ−ム−ン、そして「100年後と100年前と」…:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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岩手県知事選の”狂気の沙汰“(中)…「健常者優位主義」を公然と口にする候補者とは!!??〜今宵は願いごとが叶うス−パ−ム−ン、そして「100年後と100年前と」…
2023.08.29:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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「子どもを産むとき、ただ五体満足であればいい。ただそれだけを思って、子どもを産みました。けれども成長していくと、やっぱり勉強ができてほしい。できれば経済やさまざまの産業のリ−ダ−として、岩手県に貢献できる人材になってほしい…」―。今次知事選に自民・公明両党の全面支援を受けて立候補している千葉絢子氏(45)のある集会でのこの発言にギョッとした。憚(はばか)りもなく「健常者優位」発言(優性思想)を口にする、その心性に言い知れない“恐怖”を抱いたのである。
こう言ってのける千葉候補にはおそらく、今年度上半期の芥川賞受賞作『ハンチバック』(市川沙央著)などは眼中にないだろう。自らが重度障害者である市川さんは「せむし(ハンチバック)の怪物」と公言する主人公の口を通じて、社会の「健常者優位主義」に鋭い皮肉の目を向ける。読み終わった瞬間、その代表格のひとりがいままさに知事選を戦っているこの人だと思った。市川さんは受賞会見で「重度障害者の受賞がどうして“初”なのか考えてもらいたい」と話した。この発言の重さも到底、千葉候補の耳には届かないであろう。
「重度障害者が社会との軋轢(あつれき)のなかでルサンチマン(恨みや嫉妬などの憎悪感情)を抱えても、それを知らずに生きていける健常者たちには伝わらない」(28日付「朝日新聞」)―。二松学舎大学の荒井裕樹准教授(障害者文化論)はこう述べている。障害者差別を口にしてなお、恬(てん)として恥じない人物を知事候補に持つという我が身の不幸に慄然(りつぜん)たる気持ちになった。
こんな殺伐とした選挙戦さ中の27日、市内の社会福祉法人「花巻ふれあいの里福祉会」(こぶし苑)で福祉まつりが開催された。コロナ禍で中止になっていたため、4年ぶりの開催となった。私は市議になる前の6年ほどの間、知的障害者が通うこの施設の園長を務めた。園庭では同じくらいに年を重ねた利用者たちが全身汗だくになりながら、3B体操の演技を披露していた。てる君やのぶ君、みきちゃん、きくよちゃん…。みんなが「園長、園長」と叫びながら、かけ寄ってきた。涙が汗と一緒に頬を伝った。在職中、私は宮沢賢治の作品『マグノリアの木』から借用して、「銀の鳩」―「天の鳩」と名づけたパン工房と産直施設を建てた。いまも健在なその姿に胸が詰まった。
「本日の開催、まことにおめでとうございます」―。祝辞を述べる上田東一市長の妙に上ずった声が耳に飛び込んできた。表向きは”中立”を装いつつ、裏ではコソコソと千葉候補の支援に回る姑息(こそく)な振る舞いに反吐(へど)が出そうになった。「こんな見え透いた茶番で障害者とその家族の歓心(かんしん)を買うような卑劣な行為は止めてほしい」と心底、そう思った。
(写真は炎天の中、精いっぱいの演技を披露する利用者たち=8月27日、花巻市湯口のこぶし苑で)
●《知事選特集》
〜千葉候補の発言「全記録」のリンク先を以下に掲載します。政治家の命は「言葉」です。アナウンサーを生業にしてきた千葉候補の口からどんな言葉たちが語られているのか。本当の言葉には魂が宿るー“言霊“(ことだま)と言ったのは作家の故石牟礼道子さんでした。
・https://x.com/meguken0714/status/1694859872406536685?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg
・https://x.com/meguken0714/status/1694992378606616769?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg
・https://x.com/meguken0714/status/1694977179279646986?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg
・https://x.com/meguken0714/status/1694710900354322461?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg
・https://t.co/ciRPiu3aDT https://x.com/makimakiia/status/1693641660914081858?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg
・ https://t.co/ciRPiu3aDT
《9月3日投開票の岩手県知事選まで固定掲載》〜知事選両陣営に公開質問状
花巻市内で花巻市内でフェアトレ−ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田文子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉絢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出した。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。
・岩手県知事選候補者に公開質問状と回答8頁(pdf)
・候補者早わかり版チラシhttps://oimonosenaka.com/wp-content/uploads/hayawakari-rotated.jpg
・おいものせなか | Organic, Ecology and Fair Trade (oimonosenaka.com)
・おいものブログ:SSブログ (ss-blog.jp)
※
選挙とは言葉の戦いでもある。その言の葉の中に心を揺さぶる“言魂”(ことだま)が宿っているかどうか―。今次の知事選でとくに目を引くのはその言葉の貧困である。そんな時にふと、吸い寄せられるのが哲学者の鷲田清一さんが朝日新聞一面に長期連載する「折々のことば」である。投票日まであと4日。人間観察の目を養うため、8月29日と30日付に掲載された珠玉の2編を引用させていただく。
●たち悪くなれとの事が今の世に生きよと云ふ事に似てゐる(違星〈いぼし〉北斗)
〜和人(シャモ)による差別に抗(あらが)い、アイヌの民族復興に身を捧げる中で早逝(そうせい)した歌人は、侮蔑され、簒奪(さんだつ)され、見世物にされてきたアイヌの怒りと、その抵抗の中で味わう底なしの哀(かな)しみとをこう詠む。全文字にふられた傍点が、荒(すさ)んで今にも絶叫しそうなおのれの心を必死で抑え込んでいるかに見える。百年近く前の歌なのに現在を詠(うた)っているよう。『違星北斗歌集』から=29日付
●神様が私達を創造下さった時、私達の心はきれいなものであったそうです(中里篤治〈凸天〉)
〜“アイヌの啄木”と呼ばれた違星(いぼし)北斗とともにその民族復興に尽くした中里。いくら頑張っても「斥(しりぞ)けられ、のけ者にされ、けむたがられ」るアイヌの一員として、荒(すさ)んだ復讐の念を滾(たぎ)らせる一方、深い寂しさゆえに不遇の人たちを慰めうるという、その引き裂かれた思いを綴(つづ)った。「コタン」創刊号(1927年)に載せた文章「偽らぬ心」(『違星北斗歌集』所収)から=30日付
《追記ー1》〜まちがいのない選択を!?
月が一年中で最も地球に近づく「スーパームーン」を迎えたこの日(8月31日)、イーハトーブ(岩手花巻)の未来を占う県知事選の投票日もあと3日後に迫った。「みんな、まちがいのない選択を…」。東北地方は”月光浴”に最適な天気に恵まれた。幾分、秋の気配が感じられる中天の満月を仰ぎながら、実に13年ぶりのお目見えに、こんな願いごとを唱えた(コメント欄に写真掲載)
《追記ー2》〜100年後と100年前と(関東大震災から100年)
「100年先も岩手で家族を育み、一生にわたって安心して暮らしていける岩手」―。3日投開票の岩手県知事選に立候補している千葉絢子氏(自民・公明両党支援)の選挙公報を読みながら、私はちょうど100年前に起きた凄惨な事件を思い起こしていた。
1923(大正12年)9月1日、関東大震災が勃発。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマがあっという間に広がり、自警団や憲兵隊によって、多く朝鮮人の命が奪われた。あれから100年を経たこの日、「福田村事件」(森達也監督)というタイトルの映画が公開された。震災の5日後、首都圏から約30キロ離れた千葉県福田村(現野田市)で、香川県からやって来た薬売りの行商人9人が「朝鮮人」と疑われ、虐殺された。映画の中で群集心理の恐ろしさを描いた森監督は「集団に埋没しないためには、一人称で自分を語ることが大事だ」と話していた。
「100年後」を語る千葉候補はそれでは「100年前」の”負の遺産”とどう向き合って生きてきたのだろうか。障害者差別を平然と口にするこの人に対し、そんな“歴史感覚”を期待する方がそもそもないものねだりかも知れないが…。タモリがいう「新しい戦前」の足音がヒタヒタと近づいているような気がする。
《追記―3》〜あれっ、例の“布教”演説と瓜二つ!!??
「鈴木財務大臣とは、国道4号の県内他地域を含めた拡幅工事の進捗状況や、当市における防災対策の現状および国の支援を活用したコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりについてお話いたしたところであり…大臣からは必要な予算はしっかり確保するとの発言があり、お忙しい中、真摯にご対応いただいたことに感謝申し上げる次第であります」ー
1日に開会した花巻市議会9月定例会の行政報告で、上田東一市長は胸を張ってこう述べた。あれ、どこかで聞いたような名調子だなと思って、ハタと心づいた。自民党や公明党の全面的な支援を受けて今次知事選に立候補している千葉絢子氏が8月24日、当地花巻で開いた総決起大会で口にした内容と余りにも似通っていたからである(8月26日付当ブログ「岩手県知事選の“狂気の沙汰”(上)」参照)。
千葉氏はその時、祝辞を述べた上田市長の前でこう力説した。「皆さま方にはリ−ダ−を変えて、しっかりと月に4度でも5度でも財務大臣、総務省さまざまなところにお願いに行けるリ−ダ−を選んでいただかなくては岩手県の皆さまの幸せにつながらない。私は今日、布教するために参りました」―。「どうりでな」と妙に得心した。それにしても、これって神聖な議場を利用した巧妙な“選挙応援”じゃないのかなぁ…