被爆地ヒロシマでも”駅前図書館”騒動…移転反対の請願相次ぐ〜イ−ハト−ブの地でも全国規模の署名運動へ:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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被爆地ヒロシマでも”駅前図書館”騒動…移転反対の請願相次ぐ〜イ−ハト−ブの地でも全国規模の署名運動へ
2023.09.28:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館のあり方を論議する「整備基本計画試案検討会議」が1年以上も“開店休業”状態にあるなど迷走の極にある当市だが、被爆地ヒロシマでも図書館の駅前立地をめぐる対立が続いている。市当局はすでに市立中央図書館をJR広島駅南口の商業施設(「エ−ルエ−ルA館」)移転することを決めているが、これに反対する二つの市民団体が請願を提出し、現在継続審査のままになっている。
一方、当市の市民団体の間でも駅前立地に反対する署名運動がスタートし、10月7日午前10時から全国署名に向けた”キックオフ”(決起集会)が市内の生涯学園都市会館(まなび学園)で開かれる。平和のシンボル都市・ヒロシマと宮沢賢治が描いた夢の理想郷・イ−ハト−ブの“立地論争”の行方に注目が集まっている。
「国際平和文化都市・広島にふさわしい中央図書館と公共施設を」と訴える市民団体は6月23日、5473筆の署名を添えて「移転中止」の請願を提出した。「新しい議会において、基幹図書館である広島市立中央図書館および広島市映像文化ライブラリ−を商業施設であるエ−ルエ−ルA館へ移転させることを中止し、広島市立中央図書館等再整備基本計画の見直しを求めることについて」とする請願はその理由として、次のように述べている(要旨)
●2023年3月14日に市議会において、移転のための基本・実施設計予算が可決した。しかし、統一地方選挙による改選のため、議員メンバ−も大幅に変更され新しい議会となった。市民に選ばれた議員として、以下のことに尽力していただきたい。すなわち、「移転先で国際平和文化都市としての公共図書館たり得るのか」、「図書文化が商業施設で成り立つのか」、「巨額な予算で広島市の財政は将来もつのか」などについて、過去の資料、議事録、議会での質疑・答弁を再読し、この図書館移転問題の背景を熟考した上で移転の中止と広島市立中央図書館等再整備基本計画の見直しを進めていただくよう請願する」
この問題をめぐっては9月27日開催の9月定例会(総務委員会)でも取り上げられ、新たな火種が明らかになった。この日、移転先の不動産取得費約23億円を含む一般会計補正予算案の一部が賛成多数(賛成5、反対2)で可決された。審議では、取得費が1月の基本計画で示された概算よりも膨らんでいることについて質問が相次いだ。約23億円は移転先の商業施設のフロアや土地の取得費で、予算案は来年度の取得費約49億円も設定。計約72億円は基本計画の概算約65億円を上回ことが分かった。
一方、移転先のフロアの一部で購入のめどが立たず、市が賃貸借契約を結ぶ見込みであることも明るみに出たため、議会側から賃料や期間を示すよう求める声が上がった。市側は「賃貸料がかかってくるとなれば議会に諮る」と答えた。予算案の可決後、移転計画の撤回について「絶対にありえないか」との質問について、市生涯学習課の田尾雅之課長は「考えていない」と答えた。
立地に関わるこの経緯を知るにつけ、足元の迷走劇と瓜二つだなと思った。当地の新図書館をめぐってはその後に白紙撤回されたものの、当初は花巻駅前のJR所有地を50年、賃貸借して住宅付き図書館をつくるというものだった。それでも駅前立地にこだわる市側は現在、JR側と土地譲渡交渉を進めており、その中には商業施設の買取りも条件として含まれている。こうした懸案を抱えた花巻市議会12月定例会は2か月後の12月1日に開会する。市側が強行突破を図ろうとするのか、議会側がこれにどう抵抗するのか―「イ−ハト−ブ”図書館戦争“」の火ぶたがまた、切って落とされようとしている。
(写真は駅前立地に反対する広島の市民団体=インタ−ネット上に公開の写真から)
《追記ー1》〜中秋の名月と”満月”さん(コメント欄に写真掲載)
雲の陰に隠れたと思ったら、ひょいと顔を見せたり…。中秋の名月の今宵は5年前の7月29日に病没した妻の月命日。”満月”さんの愛称で呼ばれた故人は中空の夜空で元気そうに戯れていた。そうい言えば、存命中は野口雨情のあの歌をよく口ずさんでいたなぁ…
十五夜お月さん ごきげんさん
婆やは お暇(いとま)とりました
十五夜お月さん 妹は
田舎へ貰(も)られて ゆきました
十五夜お月さん 母(かか)さんに
も一度わたしは あいたいな
《追記―2》〜「賢治」という神出鬼没
「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です」(『春と修羅』序)―。宮沢賢治は自らを“現象”と位置付けているから、言ってみれば永遠に不滅の存在である。というわけで、いつでもどこでもひょいと姿をみせる。たとえば今回は保守派の論客として知られる佐伯啓思さん(京都大学名誉教授)の「日本の自然観と災害」(9月30日付「朝日新聞」)と題する論考の中に(要旨)…
※
「東日本大震災の直後に、私は宮沢賢治の『グスコ−ブドリの伝記』を改めて読んでみた。冷害に苦しむイ−ハト−ブの話である。島にある火山を爆発させれば、気温上昇で人々を救うことができる。火山局に勤務する若い技師ブドリは、ある技術を使って火山を人工的に噴火させて人々を救うのだが、そのために自らは噴火の犠牲になる」
「イ−ハト−ブに冷害を引き起こすのは自然であるが、また、自然の力が人々を救うのである。火山は巨大噴火によって人間に大きな損害をもたらすだろうが、またその火山によって人は救われもするのである。自然のなかには『生命の力』があるがゆえに、自然は、一方では、人を恐怖に陥れる巨大災害をもたらすが、また逆に、大地の恵みや澄んだ大気によって人々の生命に活力を与える。その両者ともに、自然のもつ『生命』の働きであり、昔の日本人は、それをまた『カミ』といったりもした」
《追記ー3》〜市民力、全開!!〜病院跡地への立地を求めて、署名運動
花巻市内でフェアトレード店を経営する新田文子さんが主宰する「暮らしと政治の勉強会」が今回の岩手知事選で全開、“市民力”の大切さを教えた。さらに、宮沢賢治ゆかりの地「イーハトーブ」にふさわしい”夢の図書館”を目指した市民団体が全国規模の署名運動を展開中。署名用紙などのラウンロードは以下のアドレスから。11月23日必着。
https://oimonosenaka.com/