雛人形と雛道具展【南陽市】結城豊太郎記念館:置賜の宝発掘プロジェクト(仮称)
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こんにちは。
置賜文化フォーラムの編集員「文化リス」です。
つい先日、年が明けたと思ったら、もうすぐ雛祭りの時期になりましたね。
南陽市の結城豊太郎記念館では只今、「雛人形と雛道具展」が開催中です。
ひなまつりは、「桃の節句」に女子のすこやかな成長を祈る節句の年中行事として知られていますが、
そもそもこのひなまつりの始まりは、今から約1000年以上前の平安中期、上流階級の少女達のあいだで宮中に見立てた「屋形」をしつらえ飾ったものが始まりと考えられています。
それらは「ひいな遊び」と呼ばれ、あくまでも貴族階級の中でのあそびであったと言われています。
人形の文字が「ひとがた」から「にんぎょう」と呼ばれるようになったのは、中世の頃からといわれています。
それとともに、「ひな遊び」も「ひいな遊び」から「ひな遊び」へと表現が変化してきました。
その頃、紙雛が登場します。室町風俗を写したものとされ、男雛は烏帽子、袴に小袖を左右に広げ、女雛は袖を前に重ねて細幅の帯姿のデザインでした。
素材も紙から布地などを用いるようになり、形式から変化したものといいながらも、デフォルメされたデザインは秀逸なものです。
体の部分は平面的な造りなので、ひとりで立つことは出来ず、雛壇や屏風に立てかけて飾っていました。
形式から変化したという立雛は、座り雛とは基本的に流れが異なると考えて良いと思います。
その後、江戸時代に節句の儀式として全国に広まり、飾られるようになりました。
この頃から3月の節句の祓にひなまつりを行うようになったと推測されています。
現代では親王飾りや七段飾りがポピュラーですが、時代によってお雛様も様々に姿を変えてきました。
平安時代は、紙製のおひなさま
江戸時代初期は立ち雛や坐り雛(寛永雛)
江戸時代中期は十二単を着た「元禄雛」大型の「享保雛」
その後、「芥子雛」とよばれる数センチの大きさの精巧な雛人形が流行し、江戸時代後期には「有職雛」宮中の衣装を身に着けたものや、今日の雛人形に繋がる「古今雛」
江戸時代末期から明治には、壇飾りが出現し、現代へと至り、ちりめんや陶磁器のものなど素材は様々。現代の生活様式に合わせて大きさは近年縮小傾向にあります。
結城豊太郎記念館の「雛人形と雛道具展」では、江戸時代の雛人形(古今雛)や傘福などが展示されていましたので、ご紹介いたします。
どれも「古今雛」と呼ばれるお雛様で江戸時代中期〜末期のものです。
「古今雛」とは、江戸時代の昭和年間(1764〜1772)頃に江戸十軒店(えどじゅうけんだな)と原舟月(はらしゅうげつ)が顏を作り、有職雛の形式で作り上げたものです。
「古今集」などの王朝への憧れから名づけたとされ、「古今雛」の名称で呼ばれています。
現代の雛人形もこの系統を継いでいます。
結城豊太郎記念館で展示されている雛人形は、南陽市内三間通の角田家より借用したものだそうです。
まだまだ所蔵している人形があるとのことですが、その一部を展示している雛祭り展です。
角田家では、このお雛様の他に昭和初期の親王雛、江戸時代の押絵のお雛様、岩槻裃(かみしも)人形と賑やかなお飾りをして、雛の節句を迎えられたようです。
豊富な雛道具と揃えて、それぞれを写真と共にご紹介します。
次にご紹介するのは、「傘福」です。
「傘福」とは、糸などに人形をつるす「つるし雛」と呼ばれる伝統的な雛飾りです。
福岡県柳川の「さげもん」静岡県伊豆稲取の「つるし飾り」そして酒田市の「傘福」が三大つるし雛として有名です。
「傘福」は傘の下に布で出来た人形やきんちゃくなどをつるして無病息災や安産、子供の健やかな成長などの願いがこめられています。
「傘福」をよく見てみると、ひとつひとつ違った人形が吊るされており、どれも可愛かったので、一部をピックアップしてご紹介します。
うさぎやねずみ、馬や金魚などさまざまな動物や生き物が素敵でした。
こちらの「雛人形と雛道具展」は、3月20日(水)まで開催されております。
素敵な雛人形を見ることができますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
入館料無料の雛祭り展はこの結城豊太郎記念館だけかもしれないですね。
文化リスも今年は雛人形を飾りたいな。
平成24年度 第5回 企画展示「雛人形と雛道具展」
開催期間:平成25年2月1日(金)〜3月20日(水)
南陽市立「結城豊太郎記念館」
〒999-2211 南陽市赤湯362
TEL:0238-43-6802
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