【仕事のススメ】5回目『どこから見てる?求人票』:Uターン転職
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良い待遇の求人がない
相談にいらっしゃった方に「求人票はどこから見てますか?」と質問すると。「やっぱり賃金ですかねぇ」との答え。次は「勤務地」、「休日」「加入保険」の順。
「あれれっ、仕事内容は見ないの?」と聞くと、「賃金、勤務地、休日、加入保険の4条件が私の希望をクリアしていたら見ます」とのこと。仕事内容にはほとんど目を通さず次の求人票にスキップしてしまうこともしばしば、だそうだ。
これでは「待遇探し」であって「仕事探し」とは言えませんよね。
誰だって、賃金は高い方が良いに決まっています。勤務地も近い方が良いし、休日だって土日休みで年間休日が多いに越したことはありません。でもそんなに都合の良い待遇ってそうそうないんじゃないでしょうか。
ハローワークの帰り道、「なかなか良い仕事(・・)ないなぁ」と呟く方も多いようです。
仕事ありき!
そんなツブヤキを口にしたことがある人は、ちょっと、求人票の見方を変えてみませんか。
求人票を検索するときは、賃金や勤務地の条件は、自分の希望条件より広めにとり検索します。次に、さっきの4条件には目もくれず、「仕事の内容」を丁寧に見てください。このとき大事なのは、「職種」の欄に書かれていることではなく、「仕事内容」欄をよく見ることです。
「自分に出来そうな仕事」だなと思ったら、求人番号を控えておきましょう。そして、次々と求人票の「仕事内容」をチェックしていきます。
一日でも早く就職したい方は「やりたい仕事」ではなく「自分に出来そうな仕事」を探してください。
一通りチェックして、仮に10件の求人が候補として残ったとしたら、それから4条件を比較し、求人票を印刷して出力してみてください。最低でも4〜5枚は印刷しましょう。
単なる「とっかかり」
私自身企業で勤務していたときに採用担当者としてハローワークに出すために求人票をよく書いていました。その時感じたことは「伝えたいことを上手く表現できない」もどかしさです。求職者の方は、この求人票を見て応募するかどうか判断するわけですが、限りある紙面では、仕事内容や待遇条件を100%伝えるのは難しいということです。100%はおろか、私の感覚では20〜30%しか表現出来ていなかったように思います。
ですから、求職者にお願いしたいのは求人票だけみて「この求人は、こうだ」と決めつけ、深く調べてみることをやめないでください。むしろ、仕事内容が自分に合いそうだったら全てに応募して詳しい話を聞いてみる、くらいの気持ちでいて欲しいのです。求人票は直接話を聞きに行くための単なる「とっかかり」でしかありません。
印刷した求人票を手掛かりに、ハローワークの担当者に話を聞いてみたり、インターネットで調べたり、情報収集をしてみましょう。そして、「んっ、これは自分にも出来そうかな」と感じたら、出来るだけ早く応募の手続きをとって、面接を受けることが大切です。
良い仕事とは?
企業は「即戦力」か、「学習して早期に戦力になれる可能性の高い人材」を求めています。
経営者に話を伺うと「求人を出しても『これからやってみたい』と言う人は来るけど、『この仕事やったことがある』はなかなか来ないんだよな」と嘆きます。
これは仕事内容よりも待遇条件を優先して求職者が応募することにも一因がありそうです。
良い仕事とは「あなたの再就職を実現し、入社後も定着できる仕事」です。
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TanQ(アイン企画発行)
Vol.13(2006年9月号)に掲載