勝天41 『紅葉の誓いに近い』:山形の歴史・伝統

山形の歴史・伝統
勝天41 『紅葉の誓いに近い』


景勝 「そなた・・・、今日も泣いておったな。」

兼続 「はっ。しかし、今日で泣き納めとさせていただきます。」

景勝 「かつて、これほどまでに泣いた武将もおるまい。」

兼続 「たしかに、そうそう。涙そうそう。」

景勝 「それにしても、そなたの母の言葉は身にしみるのぉ。」

兼続 「紅葉の誓いでございますか。」

景勝 「うむ。幹を守るために葉は散る。何気なく見ておるが、重要なことじゃな。」

兼続 「左様でございます。しかし、それがし近いことを別の場所で申し上げておりまする。」

景勝 「なんじゃと?」

兼続 「実は、童門冬二さんの『小説・直江兼続』に第7節『京の群雄』冒頭においてでございます。」

景勝 「詳しく申せ。」

兼続 「兼続は思った。(紅葉は、木の葉が散る前に自分の生命を燃やし尽くしているのだ。葉が、死の直前にこの世で示すギリギリの姿なのだ)」

景勝 「ほほぉ、主旨は違うが例えは紅葉じゃな。」

兼続 「たまたまなのか。脚本の小松どのが何かしらの影響を受けたのかは、わかりませぬ。」

景勝 「うむ。小説では、新発田重家が散るさまを紅葉に例えておるからのぉ。」

兼続 「はい、この小説・直江兼続。自分で言うのもなんですが、面白いですぞ。」

景勝 「ホント・・・いうよねぇ〜。」


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