続:そう言えば、干し柿:山形の植物・園芸

山形の植物・園芸
続:そう言えば、干し柿
>先入観ってただの幻想なんで・・・(中略)・・・ともかくも、それ以降、カミさんの手作り焼き菓子系レパートリーに「干し柿入り」が加わった。

っという具合に、<柿>はフランス料理系デザートにもOKだし、<干し柿>は洋風焼き菓子にもOKだというのは分った。でも、ただ単に干し柿をほおばる以外に(それはそれで美味しいのだが)、なんというか・・・日本的な楽しみ方はないのだろうか???

和菓子の世界でも多様な使い方をされているが、私が一番好きなのは、<柚子しろ柿>という京都大徳寺のお菓子。柚子のピール(砂糖煮)を干し柿で海苔巻きみたいに直径3cm位に細長く包んだもの。で、食べる時は厚さ3mm程度に薄く輪切りにしていただく。

TVの特集番組か何かで、金沢のお婆ちゃんの手作りシーンが紹介されていたのを見て、先ずはトライしてみようという事になった。しかし、家庭でも比較的簡単に作ることが出来るが、実は、作ってから食べ始めるまでに<根気>がいる。

なんと!柚子と干し柿の味わいがバランス良く馴染むまでの1〜2年を冷凍庫で寝かすのだ。(けっこう糖度が高いので、凍らないしほとんど硬くならない。)

もしも、喰い気が勝り、根気負けして早く食べてしまうと、ただ単に柚子と干し柿を同時に口の中に放り込んで喰った!というだけで、あの絶妙なハーモニーが味わえない。

だから、ひたすら待つ。

これまた良い感じにスローな世界で、茶人などには非常に好まれると思う。さらには、キリリと冷しや硬質辛口の大吟醸酒などと合わせてもかなりGoodだった。

今後トライしてみたい事は「干し柿を甘味料として料理に使う」事だ。

なんでも、そのむかーしの山形は、砂糖は高価すぎて庶民は使えなかったし、ビート(砂糖大根)も無かったので、料理の甘味料として「干し柿」が使われたそうだ。そこで、特に郷土料理系の煮物の隠し味などに「干し柿」を使ってみようと思っている。

ま、好みや慣れ、それに先入観や素材同士の相性の問題などもあるだろうが、おそらくは、干し柿の持っている特性(意外に癖の無い甘さ、繊維分の粘っこさ、熟した果実味がもたらす熟成感など)が、単に砂糖を使うよりも、味に奥行きというか立体感が出て来るものと非常に期待している次第である。

その後の結果は、追々レポートしてみたいと思っているが、興味のある方もぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

■追伸:焼き菓子系の場合、干し柿を予めお酒(ブランデーや各種リキュール等)に漬け込む事は、現状は控えている。何種かトライしてみたが、もともとの干し柿の味や香りが淡いので、どうしてもお酒の味や香りの方が勝ってしまうのだ。もしかすると10〜20年という長期に渡って漬け込むと上手く馴染むのかも知れないけど、今の段階ではそれは後世にお任せする事にしておく。
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