20年超えた、おべんと箱。:山形の創作・芸術

山形の創作・芸術
20年超えた、おべんと箱。


愛用の、秋田の「曲げ輪っぱ」。

もう、20年以上も使い続けてる。

その間、誤って落としたり、箸で突っついてしまったり、
もちろん、経年使用に伴いどんどん損じていく。
もともと、簡単に使い捨てするつもりは無かったけど、
でも、これは何故か捨てられない。

美しい杉の木立や山仕事の人たち、材を削り・曲げ・貼る職人さんなど、
山の風景とか、そういう人とかの、生きてる情景が
この「おべんと箱」から伝わってくるから・・・なのかも知れない。

でも、これ以上はちょっと使えないな、っという段階はいずれやってくる。

そこで、補修をする。

補修にはひと冬を、更に使うまでには2年間かけた。

1.とにかくキレイに洗って、乾燥させる。

2.キズやヘコみ、黒ずみなどを、ペーパーで削る。

3.徐々にペーパーを細かくして下地をつくる。

4.ホントは本漆(和漆)を使いたいが、日常的に使う実用品なので、
  ホームセンターで売っている洋漆(カシュー)を買って来て、塗る。

5.1週間以上乾かして、ペーパーで水研ぎして、
  洗って、また完全に乾かして、カシューを塗る。

6.上記5を、絶対焦らずに5ラウンドほど繰り返す。

7.仕上げは、布などでポリッシュする。

これでキズや黒ずみなどの補修は終わるのだが、
塗料の臭いが残っていて、食べ物を入れる器には使えない。

そこで、ここから2年間ほど<枯らす>。

私の、この「おべんと箱」は、上記の補修を2回施している。

さすが、新品が持つ「杉材の潔い白さとシャープさ」はなくなっているが、
その代わり「角が取れて更に手に馴染んで来た」事と「深い飴色」が出てきた。

こうなると、もう、絶対に捨てられなくなる。
いつまでも、私の傍にいて欲しいと思う。


 あ、うっ、 も、もちろんッ、

   いつも美味しい中身を詰めてくれる「カミさん」も。


(今回のメインは、五分突き玄米ごはん、フキノトウ天婦羅、塩鮭でした。)

P.S.

添えてる箸は、金沢辺りで作っている八角錐(先は円錐)の黒檀の箸。
形状的にとても持ち易く、素材的に硬性が高い事と、
木の粘りと摩擦も備わっているので、ゴマやごはん粒から蕎麦や素麺までOK。

先っぽが減って丸く鈍くなったり、欠けたり折ったりしても
削り直して使っている。(ちょっと短くなったり、細めになったりするが。)

山形駅西の家庭料理「うさぎ」さんで使っていて「なるほど!」となり、
奥さん(社長さん)に無理言って、家族の数分と若干のスペア分だけ譲っていただいた。
(その節は、ありがとうございました!)
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