11月のお米につけた手紙:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産
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11月のお米につけた手紙
2011.11.16:Copyright (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
お米の黒い勲章・・・!
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こにはカラフルな村の秋があります。色づいたりんご、柿、もみじ、銀杏、菊やコスモスの花々・・。とてもきれいですよ。裏にそびえる朝日連峰は峰から1/3ほどが葉っぱを落としています。もう頂の木々は冬支度です。
☆家の前に広がるおよそ800hの水田はもうすっかり稲が刈り取られ、
ほとんど人影はみえません。唯一我が家のトラクターの堆肥を散布している姿
があるだけです。化学肥料は田んぼの土を劣化させるという考えから、30年の間、作物作りはずっと堆肥中心でやってきました。自然発酵鶏糞とレインボープラン堆肥の二種類。春になってからでは忙しすぎるために秋のうちに一種類の堆肥を散布しておきます。
☆私たちは土を食べています。たとえばかぼちゃは土から良いもの、悪いもの、さまざまなものを吸い上げ膨らみます。だから私たちはかぼちゃをたべながら、かぼちゃが育ったところの土を食べているのと同じ。私たちは作物の味と香りにのせて土を食べている。アメリカの土を食べ、アルゼンチンの、中国の、フィリッピンの土をたべ・・。その土が汚染されているならば私たちの身体が汚染され、土が弱っているならば身体が弱っていく。私たちはさながら土の化身です。
☆食べられる土を作ろう。食を問わば土から。健康を求めるなら土から。町を築くなら土から。未来は土から・・・。土はいのちの源。そう思いながら農業にたずさわり、堆肥を撒き続けてきました。それだけに原発事故は恨めしいですね。
☆3・11を経たこの秋、友人たちを含め、たくさんの方々から支えていただきました。その結果、落ち込んだ米への注文がようやく昨年水準まで回復することができました。原発事故の過酷さを知った年でもありましたが、それ以上に人の情け、あたたかさを体験した年でもありました。
☆お米に黒い斑点がついているものがあります。それは「カメムシ」の食痕です。殺虫剤を使用しないお米につく勲章のようなものですので気になさらずに食べてください。虫も食べ、人間も食べる・・どこかいい世界ですね。