ようやく田植えが終わりました。:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産
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ようやく田植えが終わりました。
2010.06.07:Copyright (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
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やれやれです。農繁期は約2ヶ月続きました。この間、休みは無しでした。でも、休みたいとは全く思わなかったですね。次々とこなさなければならない仕事が目の前にぶら下がっているし、かつ、同じ農家仲間の進み具合はほとんど我が家の先を行っている。こうなるとね、休もうという気にならないのです。
他は他、我が家は我が家。農法が違うのだからかかる時間も違って当然と平然としていればいいのですが、なかなかそうはならない。これを説明するのは大変なのですが・・まず、作業の順序の説明をしなければなりません。一般的に耕耘、化学肥料散布、水入れ、代掻き、田植えと進んでいきます。我が家の場合、化学肥料散布はありませんが、その分、耕耘のまえに醗酵鶏糞とレインボープラン堆肥の二種類を撒く作業があります。これに息子と二人10日間ほど費やします。田んぼは段々田んぼになっています。上の田んぼに水を入れれば、下の田んぼにもその水が浸入してきて耕耘しにくくなってしまいます。だから上の田んぼの人はすぐ下の田んぼの耕耘作業の終わるのを待って、水を入れるわけです。
早く水を入れて、代掻きに進みたい上の田んぼの農家は、我が家の耕運作業が終わるのを待っていてくれる。我が家は全身にそれを痛いほど感じながら、せっせと堆肥散布に精をだす。
「いつごろまでかかるんだい?息子の務めの関係で今度の日曜に田植えをしたいので、早く水を入れて代掻きしたいのだけど・・。」耕耘前の我が家の作業に待ちきれず、すまなそうに聞いてくる。「ごめんな、あと少し・・」
我が家の田んぼは6箇所に分かれていて・・だから6箇所で農家が待っているわけですね。これってなかなかなものなのですよ。春を楽しみながら我が家のペースで・・なんてできないのです。
田んぼに堆肥を撒く人がいなくなっただけでなく、近頃は田植えと同時に化学肥料を散布する機械がでまわってきたことでひと工程が削除され、いっそう作業期間が短かくなっている。追い立てられること、追い立てられること・・・。さくらが咲いていることは分かっていましたよ。視界には入っていました。だけどね。それだけなのです。
やがて堆肥散布が終わり、耕運も終了し、我が家も水を入れることができるところまで来ればほっとしますね。これでようやく自分のペースで進めても誰にも迷惑をかけないですむ・・・と。
電車の窓などから見る田園風景はのどかですよね。でも、その風景の中にいる住民はそうのどかではありませぬぞ。
ともあれ、終わりました。今年も全てに堆肥を撒いてスタートいたしました。
今年は稲刈りまで、殺虫剤ゼロ、殺菌剤は田植え時点の一回だけで行こうと思っています。