▼鉋百丁、鑿千丁2006/11/28 09:19 (C) ものづくりノート
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宮大工の棟梁の言葉です。
というか大工さんの世界の言葉だそうです。一人前に成る為にはどのくらいかかりますか?という問いに対しての回答です。
つまり鉋(かんな)の刃を100枚交換するまで砥ぎ、鑿(のみ)の刃も1、000回交換するまで砥ぐくらい経験を積まないと一人前になれないそうな。
我々金型製作をしていますが、共通することだと関心しました。
(鑿や鉋はつかいませんが)
我々金型業界も、刃物が研げなければ一人前とは言いません。むしろ刃物を自分で作ることが出来なければと言う事です。
金型の場合、デザインが優先しますので既製の刃物ではカタチを作る事が難しい場合が多いです。最近こそ三次元CAD/CAMの普及により形状作成の自由度が増しましたが、昔はそのカタチの工具を作らないと仕事になりませんでした。
従って刃物を作れないのは仕事も出来ないと言う事になります。
また宮大工の棟梁はこんな事も言っていました。
「よい鑿(のみ)があって、良口や継手が完成する」
まさしく業界が違っても道具にこだわると言う面では一緒ですね。
とある有名な宮大工さんはノミだけで600本も持っていたそうです。
作る形に合わせて道具をこさえた訳です。自分で道具が工夫できないと良い仕事が出来ない訳ですね。
当社の場合には、プラスチックを溶かして形を作るのですが、その一番大事な道具である「金型」を自社内でつくります。ここがこだわりですね。
モノづくりと重要文化財の修理をなさる宮大工を一緒にしてはならないと思いますが、やはりモノづくりが好きなんだなと感じた言葉が有ります。
「出来てくるのは楽しいけれど、終わりが近づいてくるのは寂しい」
楽しんでいなければ(?)絶対に出てこない言葉ですね。
こういう心境をもっともっと皆さんに判って欲しいと思います。
◎ 写真は我々の業界で良く使うドリルです。「キリ」とも呼ばれています。
最近は工具研削盤で研ぎますが、昔は簡単なグラインダーで、しかも手と勘で研いで居ました。それでも自分自身で工夫して、穴を開ける材質によって角度を変えたりして研いで居ました。研削盤を使うと気を使わなくて良いのですが、切れ味は自分で研いだ方が善いですね。