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▼建前

建前/
 今年の夏、中学時代からの友だちと会いました。
ここ数年は年に1〜2回程度の機会ですが、
長年の付き合いだけに、なんでも遠慮なく話ができる関係です。

 「家を建てる」と言ったら、開口一番、
 「なに〜!?、ちょっと、かおり、結婚あきらめるの?」
 といきなりお叱りモード。
 「いや〜、もともとそんなにするつもりもなかったしさぁ。
  ここまで来て縁がなかったら、ないなりの方向で行こうと思って」

「ちょっちょっと、あんた、細木数子のテレビ見てないの!?」

「へっ!? あ、あんまり見てないなー」
「んもう。女が家建てたりしちゃダメだって言ってたよ」
「ありゃ〜、知らなかったぁ。でもなんで〜?」
「家は男が建てるもんなんだって」

 そういえば・・・、
 別荘を建てて2回も洪水で流された西川峰子の例もあるしなぁ・・・
 とそのとき脳裏をよぎったりもしたのですが、
 世の中で家を建てたすべての女性が不幸に見舞われるとしたら、
 もっと大々的に「住宅建築女人禁制説」が
 広まってもいい気がします。

「でもま、私ほら、男気があるって言われるから」
「あ、ま、そうだね。じゃ、いいか」

 長年の友だちなので理解も早い(笑)。

「・・・そっかー、かおり、家建てるんだ〜。
 うちもパパががんばってくれて建てたけどさー、
 2年位するとローンが大変で、やっぱやめときゃよかったかなー
 なんて思ったりもするよー」と今度は心配モードになってくれ、
「そうなんだー、了解。2年後に覚悟しておけばいいんだね」
 と、具体的なアドバイスに感謝しました。

 細木先生の占いは別としても、
 私が躊躇したのは「建前」です。
 
 「どんな感じにします?」と鎌田専務に聞かれ、
 「どんな感じってことは、いろんな感じがあるんですね?」
 
 と聞いてみると、

 a.餅&五円玉ばらまき する or しないコース 
 b.家の2階でお奉り&1階で宴会コース
 c.家の2階でお奉りのみコース などがあるとか。

 aについては、子どものころ建前があると、
 私もお餅と五円玉を拾いに行くのが楽しみだったし、
 日本の伝統文化の一つとして、
 継承していく方がいいと思います。
 
 bについては、
 昔、酒はいつでも飲めるものでもなかったし、 
 大工さんたちはこうした機会を楽しみにしていたらしいけど、
 いまはみんな車で通ってくるので、代行車を呼んだりするのが面倒で、
 大工さんたちも強く望んでいない可能性があります。

 cについては、
 付き合いが深い大工さんたちであれば、
 ちょっともの足りない内容かもしれないけれど、
 いまはこのコースが増えている様子。

 a.コースは、とてもいいと思うのですが、
 私自身が、食べ物とお金を投げる行為に抵抗があったのと、
 やはりこういう役割は男性の方がサマになる気がしたのです。
 
 ということで、今回は合理的なcコースを選択。
 大工さんたちにご祝儀を用意し、
 仕事柄毎日のお茶だしはできないので、
 お酒を1本つけてお渡ししました。
 ちなみにハウスメーカーさんの場合、
 建前そのものをしないところもあるようです。

 建前グッズは地鎮祭とほぼ同じで、四隅餅などがプラスされます。
 お餅は以前仕事でお世話になった「餅の星野屋」さんに注文。

 

 今回は神主さんはおらず、
 棟梁が儀を取り仕切り、祝のお謡いで終了しました。

 
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