ヤマガタンver9 > 復興増税

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▼復興増税

 復興増税が決まりました。しかし、私は非常に懐疑的です。というよりも反対です。
 この半年間、被災地、被災者への同情、応援が日本全国に満ち満ちていました。このような変事には悪事をしでかす輩が必ずいます。無人の家に盗みに入る、流れてきた金目のものをあさる等々。しかし、そんな目につく悪事は、小悪党がやっていることで些細なことです。本当の極悪人は人の目につかないところで悪事をしている人間です。復興資金が少しでも必要な時に、どさくさに紛れて100億円もの費用で公務員宿舎を作ろうとしたり、やんばダムの凍結の解除がささやかれたりしています。
 震災前までは莫大な国の借金対策に役所にメスを入れて無駄を吐き出す努力をしてきたはずなのに震災を利用してうやむやにしようとする各省庁の魂胆が見え隠れしています。以前にも院長私見に書きましたが、この国では国家予算の3分の1だけが国会で審議され、その倍以上の税金が特別会計と称して、各省庁に流れ、そのうちの莫大なる金額が、特殊法人なる官僚の天下り機関へと消えていくのです。この特別会計、天下り機関への徹底的なメスを入れて、それでも足りない分としての増税でなければ、私は反対です。
 もう一つ反対の理由があります。日本全国の議員と名のつく人間に与える報酬は世界的に見ても多すぎる。それが、世襲、癒着を生む温床になっているのです。少なくとも議員報酬を3分の1減らし、その定数も半分にすれば、復興資金は十分に賄えます。そもそも国会議員の数が多すぎるから、政策がまとまらないで、多くの事が後手後手になっているし、官僚が暗躍する余地が生まれるのです。
 さらに、もう一つ反対理由があります。日本人は昔から良くも悪くも一方向に流されることが多い民族でした。それで、明治から昭和にかけての悲惨な戦争に一億総火の玉となってまい進していくことになり、戦後日本国民一丸となっての働きによって、驚異的な復興もあったわけです。今回も復興のためならすべて許すという雰囲気になっていると思います。ちょっと待て。三陸海岸は昔から何度も津波に襲われ、その都度先人たちは教訓を残してきました。しかしながら、その教訓を忘れ、あるいは津波が来たら逃げればいいやとの考えでかつて何度も被害にあった場所に家を建てた人も数多くいるはずです。そういった人には自己責任もあるはずです。すべて保証してあげる必要はないと思います。福島原発に対しても、福島県や地域の人々に対して今まで目の玉が飛び出るくらいの税金が投入されてきました。今でもそれが欲しくて原発誘致を叫んでいる人々、地域があります。でも、他の地域よりも圧倒的に優遇されてきたのには、そのリスクに対する補償も入っていると考えるべきでしょう。やはり、三陸海岸と同じく、自己責任はある程度あると思います。福島原発被害にあった地域は、福島原発が建設される前の状態にまでは、国が面倒を見て、その後は自分たちで頑張るべきです。
 災害による焼け太りはさらに許せません。現に宮城県、及びその周辺県の高速道路の出口は、被災証明書を手にした人々の乗った車でいつも渋滞しています。そんなに毎日他県に高速道路を使って仕事に行く必要が被災地にはあったのかと疑います。震災前はそんなことはなかった。そう被害がないのに被災証明書をもらった人間がものすごく多くいると聞いています。休日は特にひどい。高速道路料金がタダだからと遊びに行っているとしか思えない。きちんと通行料を払っている人間からすれば、不公平感は否めません。
 以上、すべての原状復帰を日本国民全体から聴取する税金で賄うのには反対です。

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