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▼山と人の物語 vol.2

山と人の物語 vol.2/

『静かに燃える誇り 〜スタッフが語る、薪づくりの現場〜』


はじめに

山に入り、木を伐り、薪をつくる──。
一見するとシンプルな仕事に見えるかもしれません。
けれど、その裏には、自然と向き合いながら、誇りをもって働く人たちの、静かな物語がありました。

今回は、現場で日々奮闘するスタッフたちの声をご紹介します。

熊坂吉紀「道を切り拓く、その先に」

先輩の紹介で林業の世界に飛び込んだ熊坂さん。
作業道を自ら切り開き、伐採・搬出までを手がけます。

「自分で作った道を戻る時に達成感を感じます。」
土場に高く積まれた木材を見上げる瞬間、地道な努力が実を結んだことを実感するそうです。

初めて触れたハーベスターの複雑な操作、
岩場を切り拓いた道作り──
一つひとつの経験が、彼をたくましく成長させました。

「30年後、自分たちが植えた森を見たい。山も、所有者も、そして会社も幸せになってほしい。」
未来への静かな願いを胸に、今日も山に向かいます。


鈴木智明「自然とともに生きる」

林業に憧れたきっかけは、雑誌やテレビで見た“自然と働く人たち”の姿でした。
チェーンソーでの伐倒、刈払い、フォワーダ搬出に携わる鈴木さんはこう語ります。

「体力的にはきついけど、精神的にはすごく楽です。」

四季折々の美しい山の景色に包まれながら、汗を流す日々。
重機操作に苦労した時期もありましたが、それも今では乗り越えました。

これから挑戦したいのは「チェーンソーカービング」。
自然を相手にするだけでなく、木に命を吹き込む新たな表現にも意欲を燃やしています。


安部秀樹「資源に変わる喜び」

「森林の空気の中で働きたかった」──
そんな思いから林業の道へ進んだ安部さん。
伐倒作業や森林再生業務に携わっています。

伐倒した木が薪や資材へと姿を変え、誰かに喜ばれるとき、
「この仕事をやってよかった」と心から感じるそうです。

自然の厳しさの中で、健康管理に苦労した経験もありました。
それでも今夢見ているのは、自宅にヨツール製の暖炉を設置し、家族みんなで炎を囲むこと。
森の恵みを、日々の暮らしにもつなげていきたいと願っています。


真由美「リピートの『またね』が力になる」

薪の配達を担当する真由美さん。
最初は「自分にできるだろうか」と不安もありましたが、
今では仕事を「楽しい」と感じ、日々やりがいをもって取り組んでいます。

「リピートのお客様が増えて、『また頼むね』と言ってもらえると、すごく嬉しいです。」

冬の月山道でチェーンが切れ、吹雪の中で立ち往生した苦い経験も乗り越え、
いまでは雪道の運転にも自信がつきました。

これから挑戦したいのは、「木で何かを作ること」。
森ともっと深くつながる未来を、静かに描いています。

おわりに

一人ひとりの小さな努力が、森を支え、薪を届け、誰かの暮らしをあたためている。
「静かに燃える誇り」は、今日も山の中で息づいています。

次回は、「一本の木が、命をつなぐ」をテーマに、
伐採から薪として届けられるまでのストーリーをご紹介します。
どうぞお楽しみに。


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