「見えぬもの」(渡辺和子著)から:心・こころ・ココロ模様!
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青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。
これは、金子みすヾの「星とたんぽぽ」という童謡の一節です。この節に続けてみすヾは、たんぽぽの茎はすがれていてもその見えない根は瓦のすき間に生きていて、春がきたらたんぽぽの花を咲かせるのだ、と謳っています。
今から70年以上前に、26歳の若さで一人の娘を残して自死した童謡詩人、金子みすヾの存在は死後50年経って世に認められ、人の心を浄化する不思議な力をもった童謡詩の数々が多くの人を魅了しています。
「見えぬけれどもあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ」と、昼間の星について断言し、瓦のすき間のたんぽぽの根について語るこの童謡は、見える物ばかりに心を奪われている私たち一人ひとりに、“忘れもの”を思い出させてくれます。
* 本当にそうですね!言葉一つ一つに尊い深い意味がある素敵な詩ですね。
時々この詩を思い出して、見えぬものをじっくりみたいと思います。