早くも上方修正…新図書館関連予算〜“迷走劇”のツケがいま、現実に〜市長の“不規則”発言が火に油!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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早くも上方修正…新図書館関連予算〜“迷走劇”のツケがいま、現実に〜市長の“不規則”発言が火に油!!??


 

 「わずか半年足らずの間に40億円超へ」―。新花巻図書館の「駅前立地」を受けた補正予算案が30日開会の市議会6月定例会に上程された。昨年10月「候補地比較調査」報告書で示された概算事業費(3,992,423千円)の内訳の中では「測量及び調査費」は14,180千円、「計画及び設計費」は330,940千円となっていた。これらが今回の補正予算(案)でそれぞれ15,436千円と408,000千円に増額された結果、補正後の概算事業費は合計78,316千円の増となる「4,070,739千円」にふくれあがった。

 

 さらに、「測量及び調査費」と「計画及び設計費」の合計額は比較調査時点で345,120千円だったが、補正後には423,436千円とその伸び率は約23%に上っている。わずか半年でのこの伸び率から換算すると、実際の工事に着手する時点での事業費はかなり高騰していると見込まれる。

 

 また、今回の予算措置では設計業者を選定するための「公募プロポーザル」方式に要する費用として、359千円が計上されている。しかし、「候補地比較調査」を受託した大日本ダイヤコンサルタント(株)がすでに、設計業務を含む概算事業費を見積もっているにも関わらず、「なぜまた、公募か」という疑問がつきまとう。この手法をめぐっては昨年夏、意見集約を行う業者を選定するために実施されたが、合格点に届かずに不調に終わった経緯がある。これに代わった「対話型市民会議」が駅前立地のイニシアティブを握ったのは周知の事実である。

 

 前回の「比較調査」データは立地選定の際の大きな判断材料になっただけに今回の加算の根拠に議会の論議が集まりそうだ。こうした概算事業費の増大の背景としては図書館問題の解決を10年以上、先延ばししてきた行政責任も問われなければならない。今議会はその意味で「新図書館」をめぐる総括的な議論の場になることを期待したい。公共事業“受難劇”は当市だけに止まらない。

 

 資材費や人件費、物価高の影響は全国各地で公共事業の入札不調を招くなど自治体運営を直撃している。たとえば、新図書館建設の是非が争点になった静岡県伊東市の市長選挙(5月18日投開票)では新人で元市議の田久保真紀さん(55)が初当選を果たした。田久保さんは選挙戦を通じて、「なぜいま新しい図書館なのか。財源の負担がないから良いという考えで取り組むのは、少し考えが違うのではないか 『民意が反映されていない』との思いから計画は中止し、市民が本当に求めているものを探るべきだ」と主張してきた。

 

 上田市政は「駅前立地」を強行した理由のひとつとして、「国庫補助」(合併特例債)の発行期限が令和12年度に迫っていることを理由のひとつに挙げているが、伊東市の直近の事例に謙虚に学ぶべきではないか。「伊東にいままでなかった施設(図書館)が国の援助を得て出来るということになり、こんなに大きなチャンスはないと考えていて、やはり積極的に取り組むべきだ」―こう訴えていた現職は敗北した。「他山の石、以て玉を攻むべし」(詩経)という諺(ことわざ)もある。

 

 

 

 

(写真はJR“駅前図書館”のイメージ図=インターネット上に公開の写真から)

 

 

 

 

≪追記―1≫〜伊東市の田久保新市長が図書館の入札中止を職員に指示!!??

 

 新図書館建設の是非が争点になっていた静岡県伊東市長選で、現職を破って初当選した田久保真紀市長が5月30日に初登庁し、さっそく図書館の入札中止に踏み切った。今次の市長選では国の補助に“おんぶに抱っこ”の現職に対し、「優先順序を精査し、民意に耳を傾けるべきだ」とする新人候補に軍配が上がった。当市も同じような課題を抱えており、伊東市民の選択に注目が集まっている。「変えるものは変える」と主張する新市長の一問一答は以下のアドレスから。

 

 https://share.google/4qE6nod49aTQDBK8b

 

 

 

≪追記―2≫〜図書館の存在が要介護リスクの改善へ!!!???

 

 「まちに充実した図書館があると、要介護者が減るのではないか」―。こんな仮説を裏付けるユニークな研究成果が明らかになった。慶応義塾大学SFCキャンパスの佐藤豪竜・総合政策学部専任講師らの共同研究で、全国の高齢者7万人を対象に調査した結果、「図書館が多く充実している街ほど要介護者が少ないことが示された」としている。

 

 ところで、SFCと言えば「対話型市民会議」のファシリテーター(進行役)を務めた同じSFCキャンパスの山口覚・大学院特任教授の名前が記憶に新しい。市側は若者世代の駅前待望論をタテに一貫して「駅前」を主張。山口教授の助言を得る形で市民会議も「駅前立地」を選択した。仮に佐藤専任講師がファシリテーターに選任されていたなら、ひょっとして“立地論争”は180度違った展開を見せていたかもしれない。なお、令和5年1月現在の当市の要介護(要支援を含む)認定者は北上市より、1,555人多い6,178人に上っている。詳しくは以下のアドレスから。

 

 https://x.com/i/trending/1928230175797387516/normal

 

 

 

≪追記―3≫〜上田市長が行政報告の最中に“不規則”発言…正気なのか!!!???

 

 「○○議員、目を覚ましてください」―。議会中継を見ていた私の耳には確かにそう聞こえたような気がした。5月30日に開会した市議会6月定例会で行政報告をした際、上田東一市長が手元の原稿から目を離しながら、後部の議員席に向かって、ボソボソと何ごとかをつぶやいた。居眠りを諭すつもりだったのか、(物事に対する)覚醒を促すつもりだったのか…

 

 仮に冒頭の発言が事実だとしたら、その確認を怠った責任は大きい。当の「○○議員」は「私の耳にも届いた。目をつぶって報告を聞いていた」と言っている。オフレコ発言だから、読み原稿にはその発言は残っていないにしても、音声記録はあるはずである。議員の名誉のためにも事実関係をはっきりさせるべきである。それにしても、こうした“不規則”発言もスルーしてしまう議長采配の無能ぶりにも驚かされる。

 

 

 

≪追記―4≫〜「知る権利」を蹂躙、ガバナンス(内部統制)崩壊のシグナルか!!!???

 

 市議会定例会の冒頭に行われる市長による「行政報告」はこれまで、開会当日(5月30日)にHP上に公開されるのが慣例となっていたが、31日現在まだ掲載されていない。また、市民の生活に直結する予算案についても開会当日に議員説明会での説明が終わっているのに、市民への告示は未だにない。「知る権利」を蹂躙(じゅうりん)する“暴挙”と言わざるを得ない。「追記―3」で触れた“不規則”発言にどう対応するかも含めて、市側の出方を注視したい。

 

<注>〜上記「行政報告」と議員説明会について、1日遅れでHP上に公開されたことを31日正午過ぎに確認した。なお、上田市長の”不規則”発言にかかる事実関係や釈明などは一切なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2025.05.30:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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