イ−ハト−ブの「お花畑」…“異論”排除のWS「始末記」〜果ては、傍聴者に対する監視強化、まるで戒厳令下!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
イ−ハト−ブの「お花畑」…“異論”排除のWS「始末記」〜果ては、傍聴者に対する監視強化、まるで戒厳令下!!??


 

 「総花的とは、すべての関係者にまんべんなく恩恵やメリットを与えることを意味します。平等に与えるという良い意味ではなく、人気取りのための八方美人的な方法、メリハリがなく効果が薄い方法といったネガティブな意味合いで使われる言葉です」(ウィキペディア)―。この定理をまず頭に刻み込んだ上で、次のキャッチフレ−ズを声をあげて読んでみる。

 

 「市民パワ−をひとつに/歴史と文化で拓(ひら)く/笑顔の花咲く温(あった)か都市(まち)/イ−ハト−ブはなまき」―。合併による新市誕生(平成18年)以降、当市が掲げてきた将来都市像のスロ−ガンである。宮沢賢治が「ドリ−ムランド」(夢の国)と名づけた”イ−ハト−ブ“の実現を謳う割には余りにも「総花的」すぎはしないか。というわけで「新しい将来都市像を検討しよう」というテ−マで、「まちづくり市民ワ−クショップ」(WS)が9月21日に開催され、新しい候補作が発表された(10月15日号「広報はなまき」)。また、大きな声で読んでみた。

 

 「湯ったり/恵安倍(ぇやんべ)に〜結の花っこ/咲くはなまき」、「岩手のヘソとして〜老いも若きも誰もが元気にくらし/かせぎ/世界とつながる緑豊かなイ−ハト−ブ花巻〜」、「人と文化つながる/イ−ハト−ブはなまき〜銀河鉄道に乗せて〜」、「自然文化を引き継ぐ理想郷(イ−ハト−ブ)花巻〜ワレラヒカリノミチヲユク〜」、「豊かな自然/雅(みや)びな文化/つながる花巻/理想郷/利創響(利便性・想像力・響き合う)」…。当の賢治が真っ先に耳をふさぎたくなりそうな貧相な言葉の羅列。8グル−プがぞれぞれ選んだ「将来都市像」を口にしているうちに「これ以上、イ−ハト−ブの恥さらしをするのは止めてくれんか」と思わず、叫んでしまった。

 

 「第2次花巻市まちづくり総合計画」の策定に向けて発足したこのWSはそもそも、スタ−トからいわく因縁つきだった。まちの将来像に関心を持ってきた私は自分の思いを伝えたいと参加を予定していたが、今回から「公募枠」が廃止されたことを直前に知った。一般部門の39人の参加者はすでに決定済み(9月7日付当ブログ「“異論”排除のWS…公募方式が廃止へ」で、体のいい“門前払い”を食らった形だった。さらに、団体推薦枠の委員からも「アリバイづくりに利用されるのではないか」(9月26日付当ブログ「『市民参画』という名の虚構…ワ−クショップ」)などという懸念の声が出ていた。

 

 ところで、「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎を生んだ高知県佐川町は2016年に「第5次佐川町総合計画」を策定。“みんなでつくる総合計画”と名づけられた計画書の巻末には参加した353人の町民の発言が掲載されている。その年のグッドデザイン賞(公益財団法人・日本デザイン振興会)に選ばれ、授賞理由にはこうある。

 

 「地方自治体が長期的なまちづくりの方針や将来像、その実現の手段などを総合的、体系的に示す『総合計画』は、10年間のまちづくりの大事な指針であるにもかからず、どの地域も似た内容のものが多く、その地域に住まう住民や、行政職員に、積極的には読まれない、活用されないという課題がありました。平成26年度より、高知県佐川町では『みんなでつくる総合計画』プロジェクトと称し、町長、役場職員、地域住民が手を取り合って、町の魅力を再発掘し、10年後の佐川町について議論を重ね、みんなが一丸となって誇りに思える総合計画づくりに取り組んできました。住民一人ひとり、『みんなが主役』の新しいまちづくりプロジェクトです」―

 

 第4回目となったこの日(19日)、私はその様子を知ろうとノコノコ出かけた。“関所”(受付)で渡された紙片「傍聴される方へのお願い」にぶったまげた。報道関係者以外の写真撮影や録画・録音の中止と傍聴席からの移動禁止を指示するその紙切れにはこう書かれていた。「騒ぎ立てるなどしてワ−クショップの進行を妨害したり、会場の秩序を乱し、会議の支障となる行為がみられる場合は、退場していただくことがあります」ー

 

 「みんなが主役」どころか、これではまるで“刑務所”同然ではないか。ふと、背筋がざわっとした。傍聴者に対する“人権侵害”にほとんど無頓着なその感覚に…。「お願い」文書を読むと、まるで”暴徒集団”が殴り込みをかけかねないみたいな書きぶりではないか。銀河宇宙を包み込んでいた「イ−ハト−ブ」はいま、受難者に寄り添うというあの“賢治精神”とは真逆の道を転げ落ちつつある。上田(東一)市政という強権支配下での、これがまちづくりの実態である。”公僕”たる市職員が民主主義の根本義である「市民参画」を自らの手で葬り去ろうとする行為もまた、げに恐ろしい光景である。

 

 

 

(写真は第4回「まちづくり市民WS」で話し合う参加者。会場内での撮影を許されなかったため、会場外の看板を手前に撮影した。これまでのWSでこれほどまでの“厳戒体制”が敷かれた例はない=10月19日午後、花巻市のまなび学園で)

 

 

 

《追記》〜事実上の傍聴者“締め出し”、文書開示請求へ

 

 今回、傍聴者に配布された「傍聴される方へのお願い」と題する文書を仔細に点検した結果、この内容は明らかに民主主義の原理・原則に抵触するという判断に至った。そのため、19日付でその策定経過や背景などを明らかにするよう行政文書開示請求をした。なお、文書の現物はコメント欄に掲載した。

 

 

 

 


2022.10.19:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
傍聴者”締め出し”文書

「市民参画」を標榜する花巻市は逆に傍聴者を締め出したり、監視したりするなどまさに民主主義を否定するような方向に動いている。「イーハトーブ」はいま、危機の真っ只中にある。

2022.10.20 [修正 | 削除]
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