「辺野古」新基地とジュゴンとサンゴと…:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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「辺野古」新基地とジュゴンとサンゴと…


 「置き去りに沖縄福島リベラル派」―。総選挙狂騒曲が吹き荒れる中、10月3日付の朝日新聞にこんな川柳が載った。リベラル派が「立憲民主党」を立ち上げ、辛うじて一矢を報いた感があるが、沖縄の「オ」も福島の「フ」も完全に「置き去り」にされたままで、まさに「OFF」状態に捨て置かれた呈(てい)である。「辺野古に絶滅危惧サンゴ」(9月28日付「岩手日報」)―。安倍内閣が「国難突破」解散をした同じ日、新聞の片隅にこんな見出しの小さな記事が掲載された。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移籍先とされる名護市辺野古沖の埋め立て予定海域(大浦湾)で、環境省が絶滅危惧種(レッドリスト)に指定している14群体のサンゴのうち、実に13群体が死滅あるいは消失しているというショッキングなニュ−スだった。

 

 「辺野古沖、消えたジュゴン/環境保護団体『工事が影響』指摘」(9月1日付「朝日新聞」)―。サンゴ被害の約1か月前、沖縄本島北部海域で生息が確認されていた、国の天然記念物のジュゴン3頭のうち1頭が行方不明になったというニュースが伝えられた。「辺野古」新基地の周辺海域で目撃されていた「個体C」で、移設工事に伴う海上作業が始まった2014年8月直後に東海岸から姿を消した。その後の15年1月、西海岸の古宇利島沖で再び目撃されたが、その年の6月24日以降はどの海域でも目撃例は報告されなくなった。沖縄防衛局はサンゴとジュゴンのいずれのケ−スも「工事との因果関係はない」としているが、日本自然保護協会の安倍真理子さん(海洋環境学)はこう指摘する。「辺野古埼沖では、多くの船が行き交っている。ボ−リング調査も行われ、音に敏感なジュゴンに大きな負担をかけ続けた」(同紙)

 

 「ジュゴン行方不明」を報じた同じ紙面で、独立系の「ライネット生命保険会社」を立ち上げた実業家の出口治明さん(69)がユニ−クな視点で「損得の同盟論」(安保考)を展開している。

 

  「問題は日米同盟のパラダイムが冷戦終結で根本的に変わってしまったこと。かつては米国に軍事的負担を求める一方、日本は対共産圏の不沈空母として基地を提供する強みがあったが、それが終わった。米軍は駐留しているから防衛に本気になるわけで、基地は必要条件です。『常時駐留なき日米安保条約』は成り立ちません。しかし、誰しも近くに軍事基地があることは望まない。そんな中、沖縄が全体の米軍基地の7割近くを引き受けている。これは異常です。損を沖縄に引き受けさせて、本土が得をしている構図は、ギブ・アンド・テイクになっていない。そこに依拠した日米同盟は不安定だといわざるを得ない。本土が多くの基地を引き受けることが、日米同盟を長持ちさせる十分条件です」

 

  「辺野古新基地」問題は国際的にも関心を呼んでいる。2003年9月、日米の自然保護団体が米国防省などを相手取った「ジュゴン」裁判で、サンフランシスコ控訴裁判所は今年8月、請求を棄却した連邦地裁に差し戻し、日本の文化財保護法に当たる「米国家歴史保存法」(NHPA)の可否を審理し直すことを命じた。一方、ドイツの国際平和団体「国際平和ビュ−ロ−」(IPB)は、2017年のショ−ン・マクブライド平和賞を辺野古新基地に反対する政党や団体でつくる「オ−ル沖縄会議」に授与することを決めた。日本では2003年の日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に続いて2度目で、IPBは「決して諦めずに闘い続け、さまざまな行動を起こしてきた。過去の努力を認め、現在の運動を支援したい」と授賞理由を述べている。

 

  「犬ばかりに限らず、惣じて生類、人々慈悲の心を本といたし、あはれみ候儀、肝要の事」―。江戸は元禄、“犬公方(いぬくぼう)”と呼ばれた第5代将軍徳川綱吉は殺生を禁じた「生類憐みの令」のお触れを次々に布達した歴史が下った12年前、「希望の党」(同名の映画に登場する架空の政党)は綱吉にならったような「生類憐みの法」を制定、生き物の虐待を厳しく禁じた。(9月30日付当ブログ「『希望』と『国難』参照」)。東京都の小池百合子知事が率いる新党「希望の党」も政権交代に意欲満々らしい。ぜひとも政権の座を射止め、現代版“犬公方”の辣腕ぶりを発揮してもらいたい。大浦湾のジュゴンやサンゴを救出する、それが一番の近道だと思うからである。「国難」を言い募るならなおさらのこと、沖縄と福島への回路は絶えず「OFF」から「ON」へと切り替えておかなければなるまい。

 

  「カタルーニャ クルド 沖縄 考える」(10月4日付「朝日新聞」朝日川柳より)―。

 

(写真は行方不明になっているジュゴン(個体C)=2014年5月19日、沖縄県名護市嘉陽沖で。沖縄防衛局撮影、インタ−ネット上に公開の写真から)

 


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