神聖な議場で“嘘つき”呼ばわれされた私としては…これって、現代版「花巻事件」じゃないかと〜その一方では“立地”論争が大詰めに。あぁ、“嘘だらけ”の人生よ!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
神聖な議場で“嘘つき”呼ばわれされた私としては…これって、現代版「花巻事件」じゃないかと〜その一方では“立地”論争が大詰めに。あぁ、“嘘だらけ”の人生よ!!??


 

 新花巻図書館の「駅前立地」構想が浮上して以来、このまちの鉄道盛衰史に興味を持つようになった。たまに面白い発見がある。たとえば、駅そのものの“立地”論争もそのひとつ。現在の「JR花巻駅」(旧国鉄)が誕生したのは134年前の明治23(1890)年11月1日。当時も建設場所をめぐって、町方とそれ以外の地区との間で誘致合戦が行われ、結局当時、貴族院議員だった伊藤儀兵衛が私有地を寄付して、現在地に決まった。「いつの時代も土地は利権がらみということか」。JR側がいわばタダで手に入れた土地が今度は市側に売却されるという時代の転変に若干鼻白(はな)じろみながら、さらに歴史をひもといているうちに衝撃的な事実にぶち当たった。

 

 「花巻事件」―。『誤った裁判』(岩波新書、1960年刊)によると、この事件が起きたのは昭和27(1952)年12月6日。当時の花巻駅には明治44年に開業した「岩手軽便鉄道」(現釜石線)が乗り入れ、遅れること4年後に東北初の電車としてお目見えした「花巻電鉄」が交差する一大鉄道駅としての賑わいを見せていた。“朝鮮特需”もあって、駅前一帯には飲み屋街が林立し、そのひとつ「玉の家」でこの事件は発生した。

 

 当時、遠野駅に勤めていた29歳の鉄道員Sさんはその日、自宅のある花巻駅に着いたその足で駅前の玉の家にふらりと立ち寄った。遠野でもしこたま飲んだので、すでに酩酊(めいてい)の状態だった。突然、2階のふすま付近が燃えているという叫び声が聞こえた。幸いボヤ程度で収まったが、「放火未遂」事件として、犯人探しが始まった。最後まで2階で飲んでいたSさんに疑いの目が注がれた。あらゆる拷問(ごうもん)の末にSさんは自供に追い込まれた。最高裁で「無罪」を勝ち取るまでに5年の歳月を要していた。

 

 「私は読んでいませんよ。ただ、そのブログにはいろんなことが書かれているらしい。全部嘘なんですが、それが独り歩きしている」―。花巻市議会6月定例会の議案審議の場で、上田東一市長は新図書館の立地問題に絡んで、まるで私のブログを名指しするように、こう答弁した。とっさに花巻事件で「嘘の自供」を強いられたSさんの光景が二重写しになった。最近相次ぐ反問権の乱用や今回の“嘘つき”発言…。時代の隔たりを超えてもなおという思いにかられた。「暴力という形はとらないまでも“公権力”を背景にした、これはある種の言論封殺つまり心理的な拷問ではないのか。強権支配の構造は何ひとつ、変っていない」―

 

 『誤った裁判』には花巻事件のほか、三鷹事件や松川事件など戦後の代表的な「えん罪」事件が8件取り上げられている。筆者のひとりは上田市長と同じ東大法学部出身の弁護士、後藤昌次郎さん(故人)で、生まれは隣り町の北上市。松川事件(昭和24年)を担当したことで知られる後藤さんは花巻事件について、こう書いている。「善良な国鉄職員である被告が、放火未遂のぬれ衣をきせられて、長い間裁判にかけられたのは、取り調べに当たった警察官の拷問のためであった。…岩手県の花巻に住む一国鉄職員の経験はこれだけのことを示すには余りにも不幸なものであった」

 

 人権派弁護士として名を成した後藤さんの姪、後藤昌代さんは地元で和風喫茶「手風琴」(てふういん)を営んでいる。昌代さんら有志のメンバーはバナナのたたき売りや皿回し、南京玉すだれなどの大道芸にも通じ、私が福祉施設に勤務していた当時は何回かお招きしたことがある。さらに,コロナ禍のやもめ暮らしの際には「歌でも歌って、元気になって…」と歌声喫茶のイベントへのお誘いを受けたりもした。まさに「縁(えにし)」とは不思議なものである。

 

 「駅前か病院跡地か」―。134年前、もうひとつの“立地”論争の末に誕生したJR花巻駅前を舞台にした新図書館の建設問題はこれから正念場を迎える。一方の病院跡地をめぐっては、4年前に新装オープンした新病院で「裁判沙汰」が明らかになるなど病院内の不祥事に市民は不安を募らせている。「新図書館&新病院」物語が今後、どんな展開を見せるのかー終わりなき「悲喜劇」の大団円は果たして…

 

 

 

(写真はかつて、通学用にも利用された花巻電鉄。車内の間隔が狭く、馬の首のようにひょろ長かったので、“馬面(づら)”電車とも呼ばれた。民家の軒先をこするように町内をくねくねと進む姿が今も目に浮かぶ。昭和47年に全線廃止。釜石線も乗降客の激減で、花巻事件当時の“赤ちょうちん”の面影はない=インターネット上に公開の写真から)

 

 

 

 

《追記―1》〜彼方の首長も“うそ八百”発言!!??

 

 

 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元県民局長の男性(60)が死亡した件で、同知事は10日陳謝したが、辞職は否定した。元県民局長は3月中旬、知事による職員へのパワハラなどの疑惑を告発する文書を県議や報道機関に配布した。斎藤知事は「うそ八百」と否定、逆に停職3か月の懲戒処分を科した。その後、県議会が「百条委員会」を設置したが、元県民局長は七夕の7月7日、自宅で死亡しているのが見つかった。斎藤知事(46)は東大経済学部卒の元総務官僚で、1期目(7月11日付「朝日新聞」より)

  

 

 

《追記ー2》〜プロポーザル選定委員会、次回も非公開に!!??

 

 第1回プロポーザル選定委員会(6月27日開催=同日付当ブログ参照)の会議録が9日付HPで公表され、次回も非公開にすることが委員6人の全一致で決まった。非公開の理由について、市の図書館アドバイザ−でもある早川光彦富士大学教授は「我々の協議した内容が公開されると、これに申し込もうとしているところとかが、事前に情報を得られるということになります…」などと意味不明なことを口にした。文化施設でもある図書館建設の叡智を広く公に求めようとする際に外部に知られて何か不都合なことでもあるのだろうか。なお、市職員以外の委員3人は現職の富士大学の教員かかつてその職にあった“大学閥”で占められている。

 

 

 

《追記―3》〜プロポーザルの公募は7月9日から

 

 9日付HPに公募プロポーザルの実施スケジュールが公表され、参加申し込みは7月9日から同19日までと決まった。その後、応募者の資格審査や質疑、企画提案書の審査、プレゼンテーションなどを経て、8月下旬に契約締結へ。契約期間は締結日から12月13日まで。いわゆるファシリテーターが決定した後、50人規模の「市民会議」が予定されており、ここで対話による意見集約をするとしている。スケジュールが予定通りに進めば、今年中には「駅前か病院跡地か」の立地論争が決着を見ることになる。

 

 

 

《追記―4》〜試案検討会議及び市民参画協働推進委員会へ報告ですか?

 

 「出来レース」を名乗る方から、以下のようなメールが届いた。あらためて委員名簿を確認した結果、外部委員の2人がこの二つの組織(1人はオブザーバーとして)に名前を連ねていることが分かり、趣旨に納得した。

 

 「ブログ記事を見て、改めて今回のプロポーザル実施の経緯を見たのですが、プロポーザルにより選定された手法について、当局の議員説明会では、試案検討会議及び市民参画協働推進委員会へ報告と書かれています。今回のプロポーザル選定委員会にこれら二つの委員会から予め委員が選定されているのはなぜなのかと不思議に思いました。これら二つの委員会への報告はまさに事後報告で、出来レースにするための委員布陣ではないかと思ったりします。そもそもこういう人たちをプロポーザル選定委員会に選ぶのはいかがなものかと思います」

 

 

 

《追記ー5》〜議会中継へどうぞ

 

 新花巻図書館や総合花巻病院などをめぐる市政課題が議会内部でどのように議論されているのか、以下のアドレスから議場へ入場できます。議員活動を外部から監視するためにもどうぞ。6月定例会の一般質問でこの案件の双方かいずれかを取り上げた議員は以下の通り(敬称略)。なお、上田市長の”嘘つき”発言は18日の議案審議における伊藤議員の質問に対する答弁の中に出てきます(2,56,28時〜)。また、花巻病院の”裁判沙汰”を問うた羽山議員の質問の最後の場面には上田市長の反問権の乱用ぶりが映し出されています。

 

・伊藤盛幸(10日、緑の風)

・阿部一男(13日、社民クラブ)

・照井明子(同、共産党)

・羽山るみ子(同、はなまき市民クラブ)

・鹿討康弘(14日、緑の風)

 

 

インターネット議会中継(外部リンク)

 

 

 

 

《追記―6》〜井戸端会議にリーダーはいない(天野正子)

     

 60年安保闘争時、「誰デモ入れる声なき声の会」という旗を掲げ、歩道の人に行進への合流を呼びかけた画家の小林トミ。彼女は、自分の都合を優先せざるをえない個人がそれでも生活人として意志表示し、政治を足許(あしもと)にたぐり寄せる非組織の「市民」運動を追求した。社会学者・天野による評伝「小林トミ」(《ひとびとの精神史》第3巻、栗原彬編『六〇年安保』所収)から=7月12日付「朝日新聞」鷲田清一の折々のことば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2024.07.09:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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