「Mr.PO」の思想と行動(3)…米国仕込みのアストロタ−フィング:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
「Mr.PO」の思想と行動(3)…米国仕込みのアストロタ−フィング


 

 岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合花巻支部・花巻温泉郷観光推進協議会(4月26日)、花巻商工会議所(同27日)、花巻東高等学校・花巻南高等学校「同窓会及びPTA」(5月6日)、花西地区まちづくり協議会・花巻中央地区コミュニティ会議・日居城野地区コミュニティ会議・花北地区コミュニティ協議会・湯本地区コミュニティ会議・太田地区振興会・笹間行政区長会・矢沢地域振興会・宮野目コミュニティ会議(同12日)、花巻地区タクシ−業協同組合(同26日)、花巻農業高等学校「同窓会及びPTA」・花巻市商店街振興組合協議会・花巻北高等学校「PTA及び教育振興会、同窓会」、花巻農業協同組合(6月1日)、湯口地区各種団体等有志(同7日)―

 

 上掲リストはJR花巻駅の橋上化(東西自由通路)をめぐる、いわゆる“やらせ臭”プンプンの駆け込み要請の6月9日現在の状況である。観光業者や地域団体、学校や農業関係者などその数はなんと20団体。このプロジェクトに関連して上程された「業務調査費」(2603万円)について、花巻市議会3月定例会(3月17日)は「より広く市民の意見を聞くべきだ」などとして、賛成多数で否決した。今回の要請ラッシュはその後の1ケ月余りに集中している。仮にこの一連の出来事をドラマ仕立てにすると「議会制民主主義の危機…二元代表制が崩壊する時」―という演目にでもなるのだろうか。当局側と議会側とが相互に監視し合うという、地方自治のこの最高規範を自壊に追い込んだのは―。アッと驚く“悲話”の幕開けである。

 

 コロナ禍のうっとうしい日々、二人の男が地域に分け入り、その地のボスたちと何やらヒソヒソ話し合う姿があちこちで目撃された。“やらせ要請”の旗振り役と目され、一人は「Mr.PO」(上田東一市長)の後援会事務局長を名乗る革新系会派の現職市議で、もう一人は建設畑が長い副市長。この二人三脚ぶりはつとにまちの評判になり、とくに市議の品位を疑う声は高まる一方。たとえば、「花巻市議会議員政治倫理要綱」はこう謳う。「市民の代表者として、常にその人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使し、又は金品を授受しないこと」(第3条「政治倫理基準」)。この規定に明らかに抵触しているにもかかわらず、このご仁が議員を辞したという話は聞こえてこない。

 

 一方の副市長は元々“汚れ役”を買って出るタイプなので、役回りとしてはぴったりである。そんな時、今度は“国営”NHKがおっとり刀で助っ人に駆けつけた。6月1日の夕方の地域ニュ−スを見て、腰を抜かした。「JR花巻駅は、現在、東西を結ぶ地下道が整備されていますが、防犯カメラは設置されておらず、女子生徒への声かけ事案も起きていて地元から不安だという声があがっています」―。こんなナレ−ションとともに薄暗い地下道の動画が映し出された。正式名「日本放送協会」の大本営発表はいまに始まったことではないが、その影響力が地方自治の現場にまで及んでいることに怖気(おじけ)づいた。

 

 「アストロタ−フィング」―という言葉がある。ウィキペディアなどによれば、アドボカシ−(擁護や代弁、支持など)のひとつで、団体や組織が背後に隠れ、自発的な草の根運動に見せかけて行う意見主張や説得を行う手法。“偽(にせ)草の根”運動などとも言われる。政治的目的に限らず、商業的な宣伝やマ−ケティングの手法として、一般消費者の自発的行動を装った「やらせ」の意味でも用いられる。分かりやすい言い方をすれば、“隠れミノ”ということにもなる。最近の例では全米で発生している、コロナ禍に伴う外出制限に対する抗議デモが“市民運動”に見せかけたアストロタ−フィングではないかとの疑惑が浮上している。

 

 「いろんなところから要望書をいただいていますから、それは市民の意思としては非常に重いものではないかと。市民の要望がたくさんある中で、調査を実施することによって、議員や市民に納得してもらえるような整備計画を作成したい」―。「Mr.PO」は“やらせ要請”が出そろったタイミングを見計らって今月4日、急きょ議員説明会を招集。17日開催の6月定例会に業務調査費を再上程したい旨を明らかにした。と、ここまでは筋書き通りに進んでいるなと思いきや、得意絶調の“活舌”(かつぜつ)の口元、いや手元からからふと「水がもれる」ハプニングが。げに「口は災いの元」―ではある。

 

 「で、現在の地下道には防犯カメラを設置することにし、関連予算も同時に提案したい。地下道へのカメラの設置は全国で2番目のはずです(それにしても、ランキングが好きなご仁ではある。1番でなくて残念)」―。まさか、国営放送に指摘されたからだとは思わないが、「語るに落ちる」とはこのこと。市民の安心・安全を最優先させなければならない行政トップがこれまでの「不作為」を自ら認めたというお粗末の一席。つまり、「Mr.PO」こと「パワハラ&ワンマン」市長は自らの手で墓穴を掘ったことに気が付かないほどの愚者(おろかもの)だったということである。そして、最大なる不幸はこの程度の首長をかつぎ上げた、私自身を含めた市民の側もまた、同等に愚者だったというべきであろう。こうした“茶番劇”は今後も続々と公開される見通しである。

 

 米国仕込みの「アストロタ−フィング」を駆使するこの人物にこれ以上、市政を委ねることは許されまい。五輪を前にした「安心・安全」という言葉ほど空虚なものはない。いずこも同じ。“上田パンデミック”の勢いは衰えそうもない。“愚民”政治と訣別する、その幕引きの時期はもう1年を切っている。

 

 

 

(写真は“やらせ要請”じゃなく、”やらさせられ要請”を恥じる風もなく、大々的に報じる花巻商工会議所の機関紙=インタ−ネット上に公開の写真から)

 

 

 

 


2021.06.09:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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