謹賀新年…「人間の土地」へ:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
謹賀新年…「人間の土地」へ


 

 明けましておめでとうございます。

 

 コロナ感染者が過去最多の4520人を記録して越年した新しい年。読書事始めは『人間の土地へ』。沖縄・石垣島に住む娘が「最近読んで面白かった、考えさせられた本でした」と送ってくれた。登山家でフォトグラファ−の著者、小松由佳さん(38)は秋田出身。2006年、エベレストに次ぐ世界第二の高峰・K2(カラコラム山脈=8611叩砲悄日本人女性として世界で初めて登頂に成功。東京郊外の知的障がい者施設や若者の自立支援に携わり、2012年にシリア人男性と結婚。

 

 冒険家の角幡唯介さんは「小松さんが山を下りてから、どういう生き方をしているのか気になっていた。混迷のシリアで人間の生の条件を見つづけた彼女の記録は、とても貴重だ」と評している。そして、漫画家のヤマザキマリさんはこう書く。「登山で知った自然界の過酷を、シリアの混乱と向き会うエネルギーに昇華させ、全身全霊で地球を生きる女性の姿がここにある」―。コロナ禍の中で求められるのは、小松さんのように隅々にまで目を凝らす「視点の移動」ではないだろうか。そんなことを予感させる本である。早く、ペ−ジをめくりたい。冒頭にサン・テグジュペリの代表作『人間の土地』(堀口大學訳)の一節か置かれている。

 

 「人間に恐ろしいのは未知の事柄だけだ。だが未知も、それに向かって挑みかかる者にとってはすでに未知ではない、ことに人が未知をかくも聡明な慎重さで観察する場合なおのこと」

 

 そして、小松さんは自らの「人間の土地」について、こう記す。

 

 「ヒマラヤの山々は、私に”命が存在することの無条件の価値”を気づかせてくれた。人間がただ淡々とそこに生きている。その姿こそが尊い。私はその姿を追い求めていこう。シリアの砂漠にあって幸福な日々を生きた人々のなかに。激動の内戦に翻弄され、異国の地に生きようとする人々のなかに。そして、夫ラドワンや、二人の息子たち、私自身のなかに。私は歩き続ける。ヒマラヤから砂漠へ。難民の土地へ。そしてまだ見ぬ、人間の土地へ」(同書最終章「夜の光」より)

 

 

 

 

(写真は次男をおんぶしながら取材を続ける小松さん=インタ−ネット上に公開の写真から)

 

 


2021.01.01:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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