号外―「まるごと市民会議」主催講演会「図書館と私」…コロナ禍での第一歩:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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号外―「まるごと市民会議」主催講演会「図書館と私」…コロナ禍での第一歩


 

 「市民が一緒になって、図書館のあり方を根本から考え直そう」―。こんな呼びかけで発足した「新花巻図書館―まるごと市民会議」(菊池賞(ほまれ)・発起人代表)が主催する初めての講演会が「図書館と私」というタイトルで、6日午後2時半からZoomによる「オンライン」配信で行われた。当初は市内の公共施設での開催を予定していたが、コロナウイルスの感染拡大に伴って、施設の利用が制限されることになったため、急きょ“コロナ仕様”の手法に切り替えた。講演者は当市出身で発起人代表の菊池さん(55)。浦和高校を経て東京大学を卒業後、翻訳業のかたわら4年前から、ふるさと「イ−ハト−ブ」で高校生向けの学習塾を主宰している。

 

 「受験勉強のために通い始めた図書館だったが、気がついて見たら、私自身がそのとりこになっていた」―。自他ともに認める図書館の「ヘビ−ユ−ザ−」である菊池さんは首都圏の100か所近い“図書館漬け”の日々の半生を時折、ユ−モアと辛口を交えながら振り返り、こう口を開いた。「図書館って、まちづくりを考えるための入り口でもあると思う。中身をわきに置いて、箱モノを先行させるのは本末転倒。だから、いま行政側が図書館を語る際に常套句のように使っている立地適正化計画とか都市機能誘導区域などという言葉とは無縁の立ち位置で話を進めたい」。さらに、「図書館こそが人を造り、人を育てる」という体験談を詩人、三好達治の代表作「雪」を引き合いに出しながら、こう続けた。

 

 「太郎を眠らせ/太郎の屋根に雪ふりつむ―。この詩に出会った瞬間、ふるさと岩手の風景が目の前に広がった。雪がしんしんと降り積もる静かな世界がそこにあった。この詩こそが言葉というか、文学の世界へと私を導いてくれたのだと思う。幼い時の人生のひとつの転機だったかもしれない。長じてから遭遇した『OED』(オックスフォ−ド英語辞典)がいまにつながる翻訳家への道を開いてくれた。その大著は当時、住んでいた埼玉県下の市立図書館の開架式の書棚にひっそりと並べられていた。『オイ、引いてみろよ』と声をかけられたような気がした。そのボリュームに圧倒されながら、この図書館建設にゴ−サインを出したそのまちのトップの『気概』に心が震えた」―

 

 この日のオンライン講演会には33人が参加。菊池さんはこう訴えた。「私がこの会の立ち上げを思い立ったのは、市民の知恵を掘り起こし、それを結集して次世代に誇れる図書館をつくりたいという思いからだ。図書館こそが人生の交差点だと思う」ー。この言葉にうなずく参加者も多く、質疑応答も活発に行われた。新図書館建設部門を担当する当局側の市川清志・生涯学習部長も参加、「今後も市民の意見に耳を傾け、図書館の多様性を模索していきたい」と意気込みを語った。「まるごと市民会議」では今後、当局側の「新図書館」建設計画の動向を注視しながら、「図書館と私」のリレ―講演会や市民との討論会、理想の図書館像の提言などを進めていくことにしている。

 

 

 

(写真はオンライン講演会で「図書館と私」をテ−マに話す菊池さん=Zoom上の画面から)


2020.12.06:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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