名護市長選、稲嶺氏敗北―全国的な請願(陳情)運動へ:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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名護市長選、稲嶺氏敗北―全国的な請願(陳情)運動へ


 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題が最大の争点となった名護市長選は4日に投開票され、移設を推進する政府が推す無所属新人の渡具知武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=が2万389票を獲得し、初当選した。移設阻止を訴えた無所属現職の稲嶺進氏(72)=社民、共産、社大、自由、民進推薦、立民支持=は1万6931票で、3458票差だった。市長が移設反対派から変わるのは8年ぶり。日米両政府が進める辺野古移設が加速していくことは確実で、移設阻止を訴える翁長雄志知事ら「オ−ル沖縄」勢力には、秋に予定される知事選に向け大きな打撃となった(1月4日付「琉球新報」電子版)

 

 今回の名護市長選はその結果の重大さとともに、私たち本土(ヤマト)の側が「沖縄」とどう関わるべきか―という重い問いかけを投げかけた。米兵による女性暴行事件やオスプレイの墜落事故、小学校などへのヘリ部品の落下、相次ぐヘリの不時着、騒音被害…。このいずれもが「基地あるがゆえ」ーである。この不条理を支えているのが、「日米安保」と「日米地位協定」であることに異論はないはずである。そして、私たち本土の「安心・安全」を担保しているのは、米軍基地の約7割が集中する沖縄であることも数字が示すとおりである。ならば、本土の側は当然のことながら、「受益者負担」を負わなければならない。この現実から目を背けることは許されない。

 

 憲法(第16条)と地方自治法(第124条)は日本国民に等しく「請願権」を認め、地方議会には「意見書」提出の権限(第99条)が付与されている。2年前、私が紹介議員になり、「日米地位協定」改定を求める請願が花巻市議会に提出された。この時は結果として不採択になったが、名護市長選の結果を重く受け止め、改めて全国規模の波状的は請願(陳情)運動の盛り上げを呼びかけたい。まず、本土の側で「せめて」やれることから、隗(かい)より始めよ、である。内容に若干、古いデ−タが残っているが、参考までに当時の請願書を以下に掲載する。提出者は宮城県気仙沼市で東日本大震災に遭遇し、その後、当市に移住した造園業の日出忠英さん(当時74歳)である。

 

(写真は新基地建設の計画予想図。基地推進派市長の当選で、移設工事に弾みがつきそう。現場での攻防も激しくなることが予想される=名護市辺野古沖の大浦湾で。インターネット上に公開の写真から)

 

 

件名;日米地位協定の抜本的な見直しについて
 

趣旨;沖縄県における元米兵による女性遺体遺棄事件を重く受け止め、米軍人・軍属らの特権を保障する「日米地位協定」の抜本的な見直しを求めること

理由;「日米地位協定」は1960(昭和35)年、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」―いわゆる「新安保」条約の締結に伴い、従来の日米行政協定に代わって条約化されました。しかし、公務中に犯罪を起こした場合、米側の裁判権が優先されるなどその不平等性が以前から指摘されてきました。

 沖縄県警のまとめによると、1972年の本土復帰以降の米軍人・軍属らによる刑法犯罪は5862件。うち、殺人や強盗、放火、強姦などの凶悪犯罪は574件(737人)に上っています。オバマ米大統領の歴史的な広島訪問を前にした5月19日、ふたたび元米兵による女性殺害・遺体遺棄という戦慄すべき事件が発生しました。オバマ大統領は「哀悼と遺憾」の意を表し、安倍晋三首相は「日本人全体に強い衝撃を与えた」と語気を強めて抗議しました。さらに、服喪期間中の今月4日には女性米兵が飲酒運転で交通事故を起こし、県民2人に怪我をさせるという悪質事犯が続きました。

 わずか0・6%の面積に米軍基地の約74%が集中する「基地の町」―沖縄県では「基地あるがゆえの悲劇だ」として、沖縄県議会をはじめ県内41市町村議会のすべてが今月中に米側に対する抗議決議や日米地位協定の抜本的な見直しを求める意見書を可決する見通しになっています。この基地偏重の実態は逆にいえば、「国民全体の安全を担保する役割の大半が沖縄に押し付けられている」ということを意味しています。

 当花巻市議会は昨年9月定例会で、安全保障関連法案の「廃止」を求める意見書を賛成多数で可決し、安倍首相ら政府関係者に提出しました。集団的自衛権の行使などを定めたこの法案よって、最大のリスクをこうむるのは当然のことながら、米軍基地の多くを抱える沖縄県です。先月28,29の両日に行われた共同通信による世論調査では協定の改定を求める世論が71%に上りました。

 花巻市は宮沢賢治の精神をまちづくりの基本にすえ、将来都市像として「イ−ハト−ブはなまき」の実現を掲げています。「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という精神は私たちみんなの共有財産だと思います。5年前の東日本大震災の際も賢治の詩「雨ニモマケズ」に背中を押されるようにして、世界中から支援の手が差し伸べられました。私自身、宮城県気仙沼市で被災しましたが、賢治精神のその善意に支えられてこれまで頑張ってくることができました。現在は当市に居を移してお世話になっていますが、賢治精神の大切さを改めて実感させられる毎日です。

 基地を一方的に押しつけられ、日々、犯罪の恐怖におびえ続けなければならない沖縄県民の心に寄り添い、一日も早く日米地位協定の抜本的な見直しをするよう、本土の他の地方議会に先がけて、政府及び関係機関に意見書を提出していだきたく、ここに請願いたします。

 

平成28年6月9日
 

 

 

《追記−1》〜沖縄タイムス・阿部岳記者(北部報道部)の眼

 

 直前の世論調査でも、市民の3分の2が辺野古新基地建設に反対している。それでも稲嶺進氏が落選したのは、工事がじりじりと進んだことが大きい。市民は実際に止められるという希望が持てなかった。稲嶺氏自身は公約を守り、民意を体現して阻止に動いてきた。日本が民主主義国家であるなら、工事は当然止まるはずだった。安倍政権は、既成事実を積み重ねて市民の正当な要求を葬った。民主主義の理想から最も遠い「あきらめ」というキーワードを市民の間に拡散させた。

 

 稲嶺氏の2期目が始まった2014年に辺野古の工事に着手。抗議行動を鎮圧するため本土から機動隊を導入し、16年の東村高江では自衛隊まで使った力を誇示する一方、辺野古周辺の久辺3区に極めて異例の直接補助金を投入した。今回の選挙直前には、渡具知武豊氏が当選すれば新基地容認を明言しなくても再編交付金を出すと言いだした。何でもありなら、財源を巡る政策論争は成り立たない。安倍政権は名護の選挙の構図自体を4年かけて変え、市民から選択の余地を奪った。大多数の国民がそれを黙認してきた。

 

 渡具知氏も「辺野古の『へ』の字も言わない」という戦略で、暮らしの向上と経済振興を語った。市民は反対しても工事が進むならせめて、と渡具知氏に希望を託した。基地問題からは、いったん降りることにした。それを責める資格が誰にあるだろう。民意を背負えば、小さな自治体でも強大な権力に対して異議申し立てができる。沖縄に辛うじて息づいていたこの国の民主主義と地方自治は、ついにへし折られた(1月5日付)

 

 

《追記―2》〜安保・地位協定改正に国民運動を!

 

 久間章生・元防衛相、孫崎亨・元外交官、木村三浩・一水会代表が「安保・地位協定」改正で意見が一致したことが、AERAdot(2月7日付)で明らかになった。その部分を以下に転載する。

 

孫崎:やはり、日本も地位協定を変えていくために、国民運動を起こして政府を後押しする形で交渉していくべきだと思います。

久間:先ほども言ったように、旧安保から70年近くが経過して、このまま踏襲しておくのがいいのか、安保条約そのものがいるのかいらないのか、それを含めて議論しなければなりません。それで初めて地位協定の改定について検討することができるのです。

木村久間さんの地位協定を変えるためには、安保から変えないといけないとのご指摘はよくわかりました。対米自立を主張する政治家が、これから出てきたら米国も非常に困ることになるでしょう。

 

 


 

 

 


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