オキナワって、どんなトコ?:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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オキナワって、どんなトコ?



 「ちゅらさん」〜16年前のNHK朝ドラを覚えていますか?きれいな海に美味しい食べ物、陽気でやさしく、家族思いの人たち…。じっさい沖縄に行くと「ホントだ!」って感じること間違いなしです。でも、チョット注意しながら歩くと「アレッ!」と感じるのもホントです。広々と広がる米軍基地の周りにギュウギュウ建ち並ぶ民家…。美しい森や住宅街の上を夜昼かまわず爆音を響かせて飛ぶ軍用機…。どうしてかなぁ〜〜チョット一緒に考えてみませんか―。そのチラシにこう書かれていた。肩ひじ張らない文面が気に入った。さっそく、参加を申し込んだ。

 表題のイベントを企画したのはフェアトレ−ド・ショップ「おいものせなか」(花巻市上小舟渡)を経営する新田史実子さん。「フェアトレ−ド」(公平貿易)とは、アジア諸国など発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み。来年には開店25周年を迎えるが、この間、幅広い様々なイベントを催し、先月中旬には伝説の報道カメラマンと言われた福島菊次郎さん(故人)の一生を描いたドキュメンタリ−映画「ニッポンの嘘」の上映会を開いた。今回の勉強会は今月19日に予定されていた。

 「必ず、来てくださいね。どうして、こんなに無関心なんですか、沖縄って」―。イベント2日前に新田さんから電話が入った。この時点での参加希望者がわずか1人なのだという。「あきらめない、あきらめない。ヤマト(本土)の総体がほとんど無関心なんだから。たった一人から始めるつもりでなきゃ」と慰めたり、励ましたり…。残り2日間の電話攻勢が功を奏し、当日は予想を上回る16人が県内各地からかけつけた。「もう、オキナワはやめようかなと…」。こんな弱音を吐いていた新田さんがニコニコ笑っている。この日の講師は盛岡在住の牧師で、沖縄通の中原眞澄さん(70)。沖縄の受難史と現在の米軍基地の実態について、映像と資料をもとに説明し、こう問うた。

 「ヤンバルクイナ(沖縄北部にだけ生息する固有種の鳥、国の天然記念物)がもし、タンチョウ(丹頂鶴、国の特別天然記念物)だったなら、(国は生息地の)釧路湿原(北海道)に基地を造るだろうか」―。ヘリパット着陸帯の建設や「辺野古」新基地建設をこんな喩(たと)え話に託して、中原さんは沖縄に米軍基地が置かれている状況を分りやすく説明した。「でも、国が釧路湿原をつぶさないことに内心、ホット胸をなで下ろしているのは他ならない、私たち(ヤマトンチュ)ではないですか」と私は尋ねた。「だからこそ、他人事ではない、人間としての共感力と想像力が私たちには求められています」。中原さんはこう話し、続けた。「私は東日本大震災に遭遇するまでは沖縄の問題をそれほど、深刻には考えていなかった。その点、この岩手の地には震災だけではなく、ヤマトに侵略された過去の記憶が刻まれている。その分、沖縄に近い位置関係にある」

 携帯電話がブルブルッと着信を伝えた。午後2時26分―席を外して画面を見ると、敬愛する沖縄・読谷村在住の彫刻家、金城実さん(78)からだった。近況を知らせた手紙への返礼の電話だった。「いま、ちょうど沖縄のことを話している最中だったんですよ。不思議ですね」と言うと、受話器の向こうから真っ白いあごひげを震わせた豪傑笑いが耳元に響いた。「分っていたんだよ。芸術家というかオキナワ人の勘(かん)だよ。全部、お見通しさ」―。「偶然にしてもできすぎだね」と言わないところが、この長老のふところの深さと言うべきか。新田さんにこのことを伝えると、「鳥肌が立つ話ですね。オキナワ、またやろうっと」。2日前の萎(しお)れようはどこ吹く風…。それにしても何とも摩訶(まか)不思議で、楽しい一日ではあった。


(写真はこじんまりした「沖縄勉強会」―隗(かい)より始めよ=8月19日午後、花巻市内の「おいものせなか」で)


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