落第弁護士を変えた運命の出会い:リーダーズ・コミュニティ Leaderz
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落第弁護士を変えた運命の出会い
2008.02.22:Copyright (C) 起業のすすめ
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東京大学法学部にストレートで合格、在学中に難関中の難関である司法試験に合格。
その後、大学を中退し、異例の早さで弁護士の卵になる。
しかし、宇都宮さんには、社会人として必要なある能力が欠けていた。
同期の多くは、経営者が集まるゴルフコンペにこまめに参加、親睦を深め顧問契約を取り付けていた。
しかし、人付き合いが苦手な宇都宮さんは営業活動ができず、離婚や相続などの仕事を細々とこなしていた。
そんなある日、事務所のトップ、通称”ボス弁”に呼び出された。
「いつまでここにいるつもりだ。もうそろそろいいだろう」。事実上の首である。
その時31歳。50人の同期は次々と独立を果たして、半人前は宇都宮さん一人だった。
このままではいけない。何とかしなければた、「東京弁護士会」を訪ねた。
その時、職員が言った。「誰もやってくれない仕事がある。受けてくれないか」
サラ金の取り立てを止めてほしいという依頼だった。
5000円でも、1万円でも、弁護士費用として払ってもらえる。背に腹は替えられなかった。
依頼者は、中年のタクシーの運転手。生活苦のためもサラ金数10社から借入れ、厳しい取り立てに憔悴しきっていた。
宇都宮さんは店舗に出向き交渉した。「利息が高すぎる。減らしてほしい」
すると、「夜道には気をつけろ」といきなり凄まれた。
数日後、目つきの悪い男が訪ねて来た。男はキラッとひかる刃物をちらつかせいった。
「一切手を引け、それが嫌ならお前が払え」
怖くて逃げ出したかった。しかし、ようやく手にした仕事だ。簡単には引き下がるわけにはいかない。
「あなたは話し合いに来たのですか、喧嘩をしに来たのですか。弁護士の仕事は裁判ですから訴訟をします」
そう言い放ち、分厚い法律書を読み込み対策を考えた。
そして、金利が違法に高いことを理由に借金の減額を求める裁判を起こした。
すると意外なことが起こった。相手が和解を求めてきたのである。
結果、150万円という請求を2万円の支払いで和解できた。
相談者は深々と頭を下げてこういった。
「これで、穏やかな暮らしが取り戻せます」
自分にもできる仕事がある! 弁護士・宇都宮健児が歩き始めた瞬間だった。
(プロフェッショナル仕事の流儀2より)