映画「ロストクライムー閃光―」:生涯学習ノート

生涯学習ノート
映画「ロストクライムー閃光―」
1968年に起きた3億円事件を題材にした映画
1968年というのは28歳で、ようやく仕事に慣れてきたときであり、結婚したばかりでもあった

20年後の1988年に時効が成立して事件の真相は闇に包まれたままである
以前に事件を担当した刑事の昔話風にして、真犯人は警察官の息子であったがゆえに警察として捜査の幕引きをはかったのだというような番組を観たことがある

今回の映画もジャーナリスト出身者の書いた本を土台にして脚本がつくられている
学生運動華やかな時代を背景にし、警察官の息子とゲバ仲間数人のグループ犯行として描かれている
昔の仲間は今医者やクラブの歌手ややくざなどになっている
その仲間の一人で中華料理店を経営している男が殺されるという場面から始り、仲間が次々と殺されていく

仲間の一人の父親は警察のNO2のポジションであったことから、警察は捜査の打ち切りと隠蔽に走ったという筋書きである
推理としては面白いが、観ていても現実味がうすい感じがする

仲間割れしていく様子や、現金輸送車の担当者を父に持つジャーナリストの登場によってストーリーも多少厚みを増す
ジャーナリストの父親は犯人の一味として嫌疑をかけられ、それを苦にして自殺したので
サスペンスと呼ぶには薄っぺらな感じがしないでもない

俳優も刑事役に奥田瑛二と渡辺大を配し、原田芳雄、真八木勲、かたせ梨乃などのベテランを配しているが、それらの俳優を使いこなしていないようにも感じられた

渡辺大は若手刑事として奥田瑛扮するベテラン刑事の補佐役お役をこなす
渡辺 謙の息子としてDNEを受け継いでいるのか若々しい懸命な演技を披露
烏丸せつ子が小さな旅館の女将として懐かしい顔をみせてくれている

上映中退屈せずに観ることができたが、観終わってみると感動の少ない映画だった
時間つぶしの映画と位置づければ、面白くて退屈しない点で合格である
年配者にとっては懐かしい情景が観られる映画かもしれない

2010.07.12:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
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