映画「インビクタス 負けざる者たち」:生涯学習ノート
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モーガンフリーマンやマットデイモンが出演する作品ということで封切り日の5日に観にいった
1994年にネルソン・マンデラは南アフリカ共和国初の黒人大統領に就任した
当時白人の愛好家が多かったラクビーの南アフリカチームは弱くてマンデラ大統領就任時に黒人のスポーツ関係者たちから一時取り潰しの決議をされた
そこへ乗り込んだマンデラ大統領はその決議をひっくり返して南アフリカチームの存続と強化を促したのである
ラクビーは白人が愛したスポーツである
黒人がそれをとりあげて仕返しをするようなやり方はこれから新しい国を作ろうというのには逆効果を招くと判断したのである
そして大統領自らが南アフリカチームの応援に立ち上がったのである
そこからマンデラ大統領と大統領の魅力に心動かされたチームの主将との信頼を基にしての南アフリカチームの強化が始った
その結果、その直後に開催されたワールドカップにおいて初出場で初優勝という奇跡の栄冠を獲得したのである
その成果が白人と黒人が1体となっての新しい国づくりへの道を進ませた原動力となったのである
1995年というそう遠くない時代の実話物語である
あまり知られていない話だったがクリントンイーストウッド監督が光をあてて映画化したのだそうである
2時間14分の作品であったが最後まで感動しながら観ることができた
27年間監獄に囚われていたマンデラ大統領がかっての敵を許しながら新しい国づくりに取り組むリーダーとしての姿に感動する
マンデラ大統領の魅力に突き動かされるようにして南アフリカチームを引っ張っていく主将の姿とチーム全体の躍動振りも感動的に描かれている
当時のワールドカップの試合の模様がドキュメント風に描かれている
肉と肉とがぶつかり合う音や激しい息遣いや掛け声などがダイナミックに描かれて、ラクビーフアンにとって魅力ある映像になっている
マンデラ大統領が27年間の長きにわたって囚われた獄舎の風景と部屋が映し出される
短い映像ではあるがこの映画のポイントとなる映像である
「インビクタス」とはマンデラが投獄中に心の支えにした詩の題名で、“制服されない”の意味だそうである
詩の一節にある「私が我が運命の支配者、我が魂の指揮官」という言葉がたびたび画面に登場する
この言葉は「先の見えない混迷の時代でも諦めなければわれわれの手で世界を変えることができる」ということをこの映画を観る人々に伝えてくれる
ネルソン役にモーガンフリーマン、キャプテン役にマットデイモンが扮している
モーガンフリーマンはクリントンイーストウッドの強い要請があっての出演で、好演はしているが、姿全体に老いの影が見え隠れするのが気になる
見終わってみると、大統領自身、チームの主将、チーム、ワールドカップの試合などが次から次へと映し出されてそれぞれの印象がうすめられてしまったような感じがしないでもない
実話に魅力がありすぎてやむをえなかったと思うが、もったいなかったという気もする