遅かりし紅葉見物:生涯学習ノート
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遅かりし紅葉見物
もう時期的に遅いかなと思いながら紅葉見物に出かけた
仙台にきて8年になるが、紅葉見物は秋保に一度行っただけ
紅葉の穴場が分からないので、行き慣れた作並街道を走らせてみた
どこにも紅い色は見えない
「紅葉はすでに終わってしまったようだね」と二人で慰めあいながら車を走らせる
山々は全体的に茶色主体のぼんやりした色合い
茶色は年寄りに向いているの色かもしれない
「これはこれで味があっていいよね」とさらに慰めあいながら進む
茶色の山も落ち着きがあっていいものである
いつも休憩する「大滝」に寄ってみたがやはり紅葉の気配はなく水量も少ない
それでも見物客は多い
茶店で天然もののなめこやぎんなんなど買う
天童の隣町にある「吉里(きり)吉里(きり)」という名前の蕎麦屋へ行く
主人は遠い親戚にあたる
山形電波高校を出たあと包丁一本を持ってブラジルなどを渡り歩き洋食修行をしてきたという
40歳過ぎてから日本に帰ってきてホテルなどで修行を積んだ末にたどりついたのが蕎麦の世界
札幌の京王プラザで修行しているときに一緒になった奥さんと秋保の有名な蕎麦屋で2年間修行したあと天童に店を開いた
古民家を改造して店をつくり、器やテーブルなどもこだわりの品々を調達
そば粉も吟味して選んでいる
蕎麦粉を買ってみたら1キロ1800円であった
朝一番にその日の分だけの粉をひき、そば粉が無くなればのれんを降ろす
街から離れたところにあるのだが、蕎麦の味の良さが口コミで伝わり平日でも満席
打ちたての新蕎麦はことのほかうまい
今日は「原木なめこおろしざるそば」と「三陸産かきと野菜の天ざる」と「牡蠣とうふ」を食べてみる
板前修業をみっちりやっているので、蕎麦だけでなくてんぷらやとうふもうまい
帰りは道の駅で買い物を楽しむ
たまに女房と二人っきりで車という密室でぺちゃくちゃしゃべりあうのもいい
しゃべっているあとから考えや思いがわきあがってくるような感じ
ふだんしゃべらないこともしゃべってしまっている
帰りは日も傾いて、谷間になる街道はうす暗くなる
茶色はさらに濃さを増し、山々の姿はもう冬の気配を感じさせる
その姿は人生のたそがれ時を迎えつつある老いたる身にはある種の居心地の良さを感じさせてくれる
「これはこれで味があっていいよね」と二人で同じことを言い合う
蕎麦屋でわけありのラ・フランスが8個一袋300円で売られていた
女房はそれを5袋も買った
札幌と宇都宮にいる孫たちに送ってやるというのである
札幌、宇都宮では高級な果物になってしまって買えないだろうからという
昔、母さんは夜なべして手袋編んだというが、ばあさんは夜遅くまでかかってラ・フランス詰めであった
2009.11.06:Copyright (C)
年だからでなく年がいもなく
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仙台にきて8年になるが、紅葉見物は秋保に一度行っただけ
紅葉の穴場が分からないので、行き慣れた作並街道を走らせてみた
どこにも紅い色は見えない
「紅葉はすでに終わってしまったようだね」と二人で慰めあいながら車を走らせる
山々は全体的に茶色主体のぼんやりした色合い
茶色は年寄りに向いているの色かもしれない
「これはこれで味があっていいよね」とさらに慰めあいながら進む
茶色の山も落ち着きがあっていいものである
いつも休憩する「大滝」に寄ってみたがやはり紅葉の気配はなく水量も少ない
それでも見物客は多い
茶店で天然もののなめこやぎんなんなど買う
天童の隣町にある「吉里(きり)吉里(きり)」という名前の蕎麦屋へ行く
主人は遠い親戚にあたる
山形電波高校を出たあと包丁一本を持ってブラジルなどを渡り歩き洋食修行をしてきたという
40歳過ぎてから日本に帰ってきてホテルなどで修行を積んだ末にたどりついたのが蕎麦の世界
札幌の京王プラザで修行しているときに一緒になった奥さんと秋保の有名な蕎麦屋で2年間修行したあと天童に店を開いた
古民家を改造して店をつくり、器やテーブルなどもこだわりの品々を調達
そば粉も吟味して選んでいる
蕎麦粉を買ってみたら1キロ1800円であった
朝一番にその日の分だけの粉をひき、そば粉が無くなればのれんを降ろす
街から離れたところにあるのだが、蕎麦の味の良さが口コミで伝わり平日でも満席
打ちたての新蕎麦はことのほかうまい
今日は「原木なめこおろしざるそば」と「三陸産かきと野菜の天ざる」と「牡蠣とうふ」を食べてみる
板前修業をみっちりやっているので、蕎麦だけでなくてんぷらやとうふもうまい
帰りは道の駅で買い物を楽しむ
たまに女房と二人っきりで車という密室でぺちゃくちゃしゃべりあうのもいい
しゃべっているあとから考えや思いがわきあがってくるような感じ
ふだんしゃべらないこともしゃべってしまっている
帰りは日も傾いて、谷間になる街道はうす暗くなる
茶色はさらに濃さを増し、山々の姿はもう冬の気配を感じさせる
その姿は人生のたそがれ時を迎えつつある老いたる身にはある種の居心地の良さを感じさせてくれる
「これはこれで味があっていいよね」と二人で同じことを言い合う
蕎麦屋でわけありのラ・フランスが8個一袋300円で売られていた
女房はそれを5袋も買った
札幌と宇都宮にいる孫たちに送ってやるというのである
札幌、宇都宮では高級な果物になってしまって買えないだろうからという
昔、母さんは夜なべして手袋編んだというが、ばあさんは夜遅くまでかかってラ・フランス詰めであった