がん哲学外来の話―3:生涯学習ノート
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がん哲学外来の話―3
本の第3章に下記の題で記述している
『がん患者の「いのち&こころ」を支える言葉集』
言葉を紹介する前に「言葉」に関して下記のように述べている
○「こうあらねばならない」という価値観から自由になる
「こうあらねばならない」「これがなければ幸せではない」と言う自分をコントロールしていた価値観からはずれて自由になることで、思いもしなかった「ちから」が出てくることがある
『がん哲学外来』における私の仕事は、患者さんの中に眠っているその「ちから」が働き出すための「言葉」を、聞きながら、フル回転で探すこと
「支える言葉」
1・「人生いばらの道、にもかかわらず宴会」
どんな境遇にあっても、人生は楽しまなければならない
「病気であっても人生を楽しむことができるんだ」と決意することはできます。そして決意したら、意識的にそのような振る舞う努力をするのです。今すぐにはできなくても、やり続けていれば必ずできるようになる。その前向きな思いが自然と笑顔につながっていくはずです
2・「人間死ぬのは確実、いつ死ぬかは確率」
医師に対して、患者さんは常に「確実なこと」を求めます。しかし、医師は病気の進行については確率を語るのみです。「余命はこれです」というのは、あくまでも統計から割り出された確率にすぎません
「あなたの余命は3ヶ月」といわれたら「先生どういう根拠をもって3ヶ月と診断されたんですか」と聞けばいいのです。単なる確率だということを説明してくれるはずです
3・「あいまいなことはあいまいに」
「余命」ほどあいまいなものはないのです
「確率」というと数学=科学的=正確なのだろうと、どこかでそんなふうに感じるかもしれません。しかし、医師の立場では、あいまいなことはあいまいに答えるのが科学的なのです
自分の存在の確かさと大切さを感じることが大切。数字や数値に振り回されていると、人生で一番大事なものを見失ってしまう
▲私は医師が「余命半年以内」と診断し生命保険会社が認定すれば前もって死亡保険金の半分を受け取ることができる保険に加入している
▲住友生命によると、診断書を出して保険金を受け取った方のなかで、実際に半年以内に亡くなった方はわずか3割だという。5割ぐらいは1年以内に亡くなるが、5年以上生きた方も2割もいるそうである。
▲医師にあと半年だと言われても落ち込まず、「自分は違うんだ」と思って生きていけばいい
その間に受け取った半分の保険金でやりたいことを思いっきりやってみたらいい
実際にその金で半年間の海外旅行をして帰ってきたらがんが消えていたと言う人がいる
私も「余命半年宣言」を受けなければならない状況に立ち至った場合その宣告を残された人生のために、前向きに受け止めるつもり
4・『「今日が人生最後の日」と思って「今」を生きる』
病気のことを忘れるというのは、最も大事なことです
再発の不安を和らげるのは「がんのこと」を忘れるしかありません
忘れるということは自分の中での優先順位を下げることです
優先順位をつけて不安を忘却するには、目の前のやるべきことを一生懸命にやる「今」ということこの瞬間に専念することです。不安というのは「将来予測」ですから、こころが「今」にないんですね。人間が悩む時もたいていそうです。昨日までのことをくよくよ考えて、未来を夢見ることで満足してしまう。「今」という現在が抜けやすいのです
ですから、「今日が人生最後の日」と思って生きると、人間は幸せに近づけるのです
今日が最後の日だと思ったら、少なくとも再発の心配はしないでしょう
▲昨年8月CT、9月MRIで再発の疑いを指摘されたときに、3月までの仕事の大半を降させてもらった。4月から全くやめてがん治療に専念しようかと考えたがやりたい仕事の一部を残すことにした
▲それは「がんのことを忘れる」ためである
セミナーの講師と言う仕事は「これでいい」というゴールもない反面「ここまで」というハードルもない
自分のペースで準備を積み重ねていくだけ
セミナーであるから、うまくいこうがまずかろうが、その場で受講生の、生の反応を受け止めることができる。うまくいかなければ、再チャレンジするだけ
再就職支援であれライフプラン作成であれ、人の生き方に関っていける仕事である
人に繋がり、社会に関わっていける・・・・そう思って仕事を残しがんを忘れるためにも継続いていく
▲ 残念ながら「今日が最後の日だ」と思える心境にはまだまだであるが・・・・
2009.03.24:Copyright (C)
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『がん患者の「いのち&こころ」を支える言葉集』
言葉を紹介する前に「言葉」に関して下記のように述べている
○「こうあらねばならない」という価値観から自由になる
「こうあらねばならない」「これがなければ幸せではない」と言う自分をコントロールしていた価値観からはずれて自由になることで、思いもしなかった「ちから」が出てくることがある
『がん哲学外来』における私の仕事は、患者さんの中に眠っているその「ちから」が働き出すための「言葉」を、聞きながら、フル回転で探すこと
「支える言葉」
1・「人生いばらの道、にもかかわらず宴会」
どんな境遇にあっても、人生は楽しまなければならない
「病気であっても人生を楽しむことができるんだ」と決意することはできます。そして決意したら、意識的にそのような振る舞う努力をするのです。今すぐにはできなくても、やり続けていれば必ずできるようになる。その前向きな思いが自然と笑顔につながっていくはずです
2・「人間死ぬのは確実、いつ死ぬかは確率」
医師に対して、患者さんは常に「確実なこと」を求めます。しかし、医師は病気の進行については確率を語るのみです。「余命はこれです」というのは、あくまでも統計から割り出された確率にすぎません
「あなたの余命は3ヶ月」といわれたら「先生どういう根拠をもって3ヶ月と診断されたんですか」と聞けばいいのです。単なる確率だということを説明してくれるはずです
3・「あいまいなことはあいまいに」
「余命」ほどあいまいなものはないのです
「確率」というと数学=科学的=正確なのだろうと、どこかでそんなふうに感じるかもしれません。しかし、医師の立場では、あいまいなことはあいまいに答えるのが科学的なのです
自分の存在の確かさと大切さを感じることが大切。数字や数値に振り回されていると、人生で一番大事なものを見失ってしまう
▲私は医師が「余命半年以内」と診断し生命保険会社が認定すれば前もって死亡保険金の半分を受け取ることができる保険に加入している
▲住友生命によると、診断書を出して保険金を受け取った方のなかで、実際に半年以内に亡くなった方はわずか3割だという。5割ぐらいは1年以内に亡くなるが、5年以上生きた方も2割もいるそうである。
▲医師にあと半年だと言われても落ち込まず、「自分は違うんだ」と思って生きていけばいい
その間に受け取った半分の保険金でやりたいことを思いっきりやってみたらいい
実際にその金で半年間の海外旅行をして帰ってきたらがんが消えていたと言う人がいる
私も「余命半年宣言」を受けなければならない状況に立ち至った場合その宣告を残された人生のために、前向きに受け止めるつもり
4・『「今日が人生最後の日」と思って「今」を生きる』
病気のことを忘れるというのは、最も大事なことです
再発の不安を和らげるのは「がんのこと」を忘れるしかありません
忘れるということは自分の中での優先順位を下げることです
優先順位をつけて不安を忘却するには、目の前のやるべきことを一生懸命にやる「今」ということこの瞬間に専念することです。不安というのは「将来予測」ですから、こころが「今」にないんですね。人間が悩む時もたいていそうです。昨日までのことをくよくよ考えて、未来を夢見ることで満足してしまう。「今」という現在が抜けやすいのです
ですから、「今日が人生最後の日」と思って生きると、人間は幸せに近づけるのです
今日が最後の日だと思ったら、少なくとも再発の心配はしないでしょう
▲昨年8月CT、9月MRIで再発の疑いを指摘されたときに、3月までの仕事の大半を降させてもらった。4月から全くやめてがん治療に専念しようかと考えたがやりたい仕事の一部を残すことにした
▲それは「がんのことを忘れる」ためである
セミナーの講師と言う仕事は「これでいい」というゴールもない反面「ここまで」というハードルもない
自分のペースで準備を積み重ねていくだけ
セミナーであるから、うまくいこうがまずかろうが、その場で受講生の、生の反応を受け止めることができる。うまくいかなければ、再チャレンジするだけ
再就職支援であれライフプラン作成であれ、人の生き方に関っていける仕事である
人に繋がり、社会に関わっていける・・・・そう思って仕事を残しがんを忘れるためにも継続いていく
▲ 残念ながら「今日が最後の日だ」と思える心境にはまだまだであるが・・・・