映画「ダウト」:生涯学習ノート

生涯学習ノート
映画「ダウト」
いつもの通り、ハローワークで4時に仕事が終わるので、4時過ぎの上映映画がないかどうか調べてみた
ある、ある、「ダウト」という映画。5:10分からの上映である(doubt・疑い、疑う、疑問)

予告編を観たときの映像と、アカデミー主演女優賞受賞のメリル・ストリープと主演男優賞受賞のリップ・シーモア・ホフマンとの競演であるので、是非観たいと思っていた映画である

息もつかせずというのはこういう映画のことをいうのだろうか、1時間40分はあっという間だった
息詰まる感じは、アクションや恐怖感からもたらされるのではなく、人間がおりなす心理的戦いの極みを見せ付けられるからである

ストーリーはニュヨークにあるカトリックの学校で、新米教師が唯一の黒人男子生徒と神父の関係に不信をいだき、校長に相談したことから始まる
校長は神父に「疑惑」を持った
そこから神父と校長と新米教師、そして黒人生徒の母親との関係が学校と教会という狭い場所で繰り広げられていくのである

「不適切なる関係」を持ったという「疑惑」が真実であるのか、校長の妄想なのかは最後まで分からない。「藪の中」で終わる
一度生じてしまった「疑惑」というものが人と人との間にもたらすパワーのようなものに引き込まれていくのである
疑惑や嫉妬の感情が人間にもたらすエネルギーのようなものについて考えさせられる

「疑惑」を巡っての校長と神父、校長と新米教師、校長と母親との間に繰り広げられる言葉の応酬はすざましいくらいのパンチ力と美しさを兼ね備えた迫力でもって迫ってくる
4人の緊迫した演技力がそれを支える。感動を呼ぶ名演技である

場面は学校と教会という限られた空間である
舞台劇を観ているような気がしていたが、それもそのはず、トニー賞&ピュリッツアー賞ダブル受賞の舞台劇であったものを映画化したこと

映画化にあたってさらに細かい演出が付け加えられ、完成度の高い作品になっている
すでに沢山の賞を受賞しているが、アカデミー賞でも4部門にノミネートされていた作品である

映画、演劇が好きな方には必見の作品かと思う


5:10分という開始時間であったが、座席は8割方埋まっていた
女性の客ばかりであった
女性優待日だったのである
2009.03.11:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
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