義母の死・1:生涯学習ノート
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義母の死・1
2009.03.04:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
素敵なモデルにしたいお義母さんですね!
自分らしく生ききる
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息子を呼び出して3人で寒河江に向かった
義母は3年くらい前から脳梗塞や骨折などで病院を転々として入院生活を続けていたが、じょくそうになってしまい長期入院を余儀なくされていた
老衰で眠るように92歳の生涯を閉じた
入院先が仙台から車で1時間ということもあり女房とよく見舞いにいった
寝たきりになっても茶目っ気を発揮して気丈に明るく振舞ってくれる
猫が好きで、自宅に飼っていた猫の写真を病院のベッドの枕元において眺めたり、猫の縫ぐるみを身近において抱いたり語りかけたりして
別れの時には「チャオ!」とテレビで覚えたのだろうか、手を振りながら元気に別れの挨拶をしてくれる
看護師さんたちからも人気者のおばあちゃんとして可愛がられていたようである
ある医者が学校で講演したとき、子供から「うちには寝たきりのおばあちゃんがいる。楽しいことは何もできないのに、何のために生きているのか。先生はどう思いますか」と質問をされた
その医者はこう答えた「誰にでもそれぞれ立派な役割がある。寝たきりであっても、おばあちゃんは何もしていないわけではない。ちゃんとそこにいる使命があるのです」と
子供だから発することができた質問かもしれないが、核心をついた質問である
身動きすらもほとんど出来なくなって、じっと横になっている姿を見るとき、義母は何を思いながら生きているのだろうかと思ったりした
自分が同じような寝たきりの状況に置かれたら、見舞いに来た人たちに明るく振舞うことが出来るのだろうか
ガンを患っている自分にとっては差し迫った課題である
その医者はガンで自殺をはっかたけれど生き延びた患者にこうも言った
「あなたには死ぬという大事な仕事が残っている」と
その言葉で、その患者は生きる力を取り戻した
死に向かって「どう生きるか」ということは大事なこと
私はお見舞いに行く時に気が進まないという思いに駆られたことは1度も無かった
義母に会うのが楽しかった
寝たまま、突然にとつとつと昔の話を語り始める
熊本で長男を生んだ時、義母は山形の寒河江から熊本まで1人で汽車を乗り継いで駆けつけてきてくれた
そのときの毎日の生活の様子を覚えていて、何を料理したとかこまごまと話しだす
え、何でそんなことを今思い出して突然に話し出すのという驚きと、その記憶力にびっくり
当時の田舎のおばさんにとっては寒河江から熊本まで1人で来るということは海外旅行に1人で出かけるようなものだったろう
よくぞ熊本まで来てくれたものである
1ヶ月ほど滞在し、帰りも1人で帰っていった
病床でそのときの思い出を楽しそうに話す義母は輝いていた
見舞いに来た者達に笑いと元気を与えながら、死んでいった義母
自分の役割を立派に果たしていってくれたのだ